• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

無侵襲細胞内酵素活性中心の構造と機能発現に関する分光磁気化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04453046
研究機関京都大学

研究代表者

広田 襄  京都大学, 理学部, 教授 (90093301)

研究分担者 大矢 博昭  山形県テクノポリス財団, 生物ラジカル研究所, 副所長 (00025389)
キーワードESR / スピントラップ / 活性酸素 / マンガン錯体
研究概要

本年度の研究は、生体系での研究とモデル系での研究に大別される。
1)生体系での研究.肝臓に有毒なLuteoskyrinについて、スピントラップ法及び直接ESR観測による研究を行った。LuteoskyrinはPenicillium Islandicumm Soppから生じる毒性のビス-ジヒドロアントラキノンである。Luteoskyrinのセミキノンラジカルについて以下の目的でESRによる研究をおこなった。(1)Luteoskyrinがミクロゾーム中NADPH-Cytochrom P-450 reductaseによってセミキノンラジカルに還元されるかどうか、(2)O_2およびOHラジカルがLuteoskyrinおよびNADPH-Cytochrome P-450 reductaseの存在下で生じるかどうか.(1)については、luteoskyrin,NADPHH,DMSOおよびNADPH-cytochrome P-450 reductaseの存在下、嫌気条件下でセミキノンラジカルが生じた。(2)についても、O_2およびOHの発生が観測された。これらの結果、Luteoskyrinの肝臓への影響は、NADPH-dependent reductaseによって触媒される1電子還元系で生じるLuteoskyrinのセミキノンラジカルの酸化で生じる活性酸素種によることが示唆される。
2)モデル系での研究.生物無機化学の分野で、Mn錯体はいくつかの生体系に対するモデル研究の対象になっている。Mnカタラーゼは生体内で生成した過酸化水素を水と酸素に分解する酵素である。我々は、Mnカラーゼの機能に関する基礎的な知見を得る目的で、酸素/窒素配位のMn錯体の溶液内構造と過酸化水素との反応について研究を行った。種々の配位子を用いた錯体でESRスペクトルの時間変化、水を加えた溶媒での酸化還元電位の測定結果などから、Mnカタラーゼにおける必要条件として、水分子の存在及び混合配位原子の存在が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Fujii: "Model Studies of Catechol Dioxygenases.Important Role of Monodentate Catecholate-Fe(III) Intermediate" Bulletin of Chemical Society of JAPAN. 66. 1408-1419 (1993)

  • [文献書誌] K.Fukui: "Electron Spin Echo Envelope Modulation Study on Oxovanadium(IV)-Porphyrin Complexes:Reinvestigation Hyperfine and Quadrupole Couplings." Journal of physical Chemistry. 97. 11858-11860 (1993)

  • [文献書誌] A.Mitsuta: "A Kinetic Analysis of Superoxide Adduct Formation in the Presence of Typical Scavengers" Bulletin of chemical Society of Japan. 67. 529-538 (1994)

  • [文献書誌] H.Nakamura: "Investigation of Excited State Intramolecular Proton Transfer in the Lowest Triplet states of 2-(2'-Hydroxyphenyl)benzoxazole" Journal of physical Chemistry. 97. 8952-8956 (1993)

  • [文献書誌] H.Ohya-Nishiguchi: "ESR Identification and Characterization of Fe-SOD and Fe-S Clusters in Intact Cells of Escherichia Coli." FEBS Letters. (出版予定). (1994)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi