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1992 年度 実績報告書

酸化物プロトン導電体を用いた水素濃淡電池による溶融金属中の水素濃度の測定

研究課題

研究課題/領域番号 04453057
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

武津 典彦  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80029355)

キーワードプロトン伝導 / 固体電解質 / 水素センサー / 化学センサー / 水素濃淡電池 / 水素分析 / ガス溶解 / 同位体効果
研究概要

まず、使用する固体電解質(CaZrO_3(+In_20_3)のプロトン伝導領域を明確にするため、水素の溶解度、全電気伝導度の同位体効果、および、直流分極法による電子伝導度の測定を行った。この結果CaZrO_3(+In_2O_3)は、SrCeO_3(+Yb_2O_3)と比べて、高温までかなり広いプロトン伝導領域をもつことがわかった。この電解質を用い、溶融アルミニウムと平衡するガス中の水素分圧を測定できる形のセンサーを試作し、溶融金属に浸漬して、その能力について調べた。
溶融アルミニウムに対して行った測定では、正しく濃度を測定するためには、溶融金属と電解質界面に伝って侵入するガスをブロックすることが極めて重要であることがわかった。これにはガラス性の低融点物質を用いることにより阻止が可能であることがわかった。この様に改良したセンサーでは、アルミニウム中の水素量は非常に高い精度で測定できることが明らかとなった。また、このセンサーを用いることにより、アルゴン吹き込みによる脱ガス処理は大きな効果を持つことが確認できた。また、大気中の水蒸気の変化に対応して溶融中の水素量も大きく変化することも認められた。
ついで同じ方法により、溶融銅中の水蒸気量を測定した。1200℃の高温では標準極に白金多孔質電極と1%H_2ガスを用いる方法では安定した起電力を得ることができなかった。しかし、標準極にも少量の溶融銅を用い、これに1%H_2ガスを平衡させたところ、安定な起電力が得られAlの場合と同様に溶湯中の水素ポテンシャルの測定が可能であることがわかった。溶融銅についても当初の目的のセンサーが得られたと考えられる。
次年度はAl、Cuに比べて温度が低いZn、および融点の高いFeについても同様な形のセンサーを用いて試験を行う予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 武津 典彦: "電気化学的方法による溶融アルミニウム中の水素量の測定" 鋳物協会第120回全国講演大会講演概要集. 80-80 (1992)

  • [文献書誌] 武津 典彦: "プロトン導電性固体電解質を用いた溶融銅用水素センサー" 日本金属学会講演概要. 192-192 (1992)

  • [文献書誌] 伊藤 浩平: "プロトン導電性酸化物CaZrO_3(+In_2O_3)の電気化学的特性" 第18回固体イオニクス討論会講演要旨集. 13-14 (1992)

  • [文献書誌] 武津 典彦: "プロトン導電性固体電解質を用いた溶融銅用水素センサー" 第18回固体イオニクス討論会講演要旨集. 27-28 (1992)

  • [文献書誌] 栗田 典明: "プロトン導電性酸化物CaZrO_3(+In_2O_3)のプロトン伝導領域" 日本金属学会講演概要. 242-242 (1993)

  • [文献書誌] 武津 典彦: "電気化学的方法による溶融銅中の水素ポテンシャルの測定" 資源・素材学会研究・業績発表講演会講演概要. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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