TiC、ZrC、HfC、NbCの粉末、単結晶試料を使って酸素分圧4〜16kPa、温度400〜800゚Cで酸化し、速度論的考察と酸化物の界面での詳細なSEM、TEM観察、EPMA分析によって界面反応を決定し、クラックの発生を含めた酸化機構を解明し、次の知見を得た。 1)TiCの酸化は四段階を経て進行し、クラックがオキシカーバイト/チタン低級酸化物の生成とアナターゼの結晶化によって発生する。 2)ZrCを酸化すると i)ZrC_<1-x>O_xがZrC中に生成し、さらに酸化が進行すると炭素を14〜23at%含んだ比較的緻密なzone1と炭素を7〜10at%含んだ多数のポアー、クラックの入ったzone2から成る酸化物層が生成した。 ii)zone1では数十nmのサイズの立方晶ZrO_2粒子が生成し、zone2ではこの粒子が凝集、成長するためポアーが生成することが分かった。 iii)zone1は放物線則に従って成長するが、ある厚さ(2〜4μm)に達すると一定となった。zone2は時間に対して直線的に成長した。 3)HfCの酸化はほとんどZrCの場合と同様な結果となった。 4)NbCの酸化は界面での化学反応が律速となり進行した。粒子中のクラッキングが酸化を著しく促進した。界面反応が律速なのは、結晶表面に対して垂直な方向に伸びた柱状粒子の為と結論できた。
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