申請者らの構築したガラス材料設計支援エキスパートシステムは、コンピュータの画面上、対話形式で周期律表の60元素の酸化物よりガラス組成を選択し、そのガラス組成の示す物性値を基にガラス材料の物性・組成設計を実現するものである。本研究では、このエキスパートシステムをさらに高精度化し、拡充することを目的としている。 1)いままでのシステムは、パソコン上で稼働していたが、将来のデータベース、知識ベースの拡大、あるいは、それに伴う、システムの拡大に対応するために、ワークステーションのUNIX上に移植した。UNIXワークステーションとして、SUNを使用し、その上のLISP、KBMSによりエキスパートシステムが動作する。これにより、これまで構築してきたガラス材料設計支援エキスパートシステムが、高速度な対話設計に対応可能となった。 2)ケイ酸塩系以外の酸化物ガラスやハライド系ガラスなど従来のガラス材料設計支援エキスパートシステムでは対応していないガラス系に拡充して、組成から物性、その逆の物性から組成の設計支援の可能性を検討し、C言語を用いたシステムを試作した。この際、ガラス物性値データベースとの結合とそのデータを利用した高精度化について検討を行った。 3)米国において、申請者らの構築したガラス材料設計支援エキスパートシステムが基本特許として認可された。
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