研究課題/領域番号 |
04453070
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横尾 俊信 京都大学, 化学研究所, 助教授 (90158353)
|
研究分担者 |
宮路 史明 京都大学, 化学研究所, 助手 (80219782)
幸塚 広光 京都大学, 化学研究所, 助手 (80178219)
|
キーワード | ガラス融体 / ガラス構造 / X線動径分布解析 / ペルチェ型X線固体検出器 |
研究概要 |
近年、単独ではガラス化しないが、多成分系とすることによってガラス化する“nonconventional glass"が注目されている。これらのガラスは、通常よく知られているケイ酸塩、ホウ酸塩等のガラスとは異なる性質を示すのではないかと期待されている。ガラスは高温融体を常温に凍結したものであり、したがってガラスの構造と融体の構造との間には密接な関係がある。特に、ガラス形成に関しては融体の構造を調べることが極めて重要である。しかしながら、多成分系であるため、これらのガラスの構造を調べることは、容易ではない。そこで、本研究では特定元素の局所構造の解明に優れた威力を発揮するX線異常散乱を利用した動径分布解析法により多成分系ガラスの構造を研究することを企図した。 この方法では、通常のX線回折法に比べて微弱X線を検出しなければならないので効率のよい検出器を用いる必要があり、本年度の科研費で助成を受けた経費でSSD検出器(ペルチェ型)を購入し、それを既存設備である高温X線装置に取付けた。予備実験を行ったところ、従来のシンチレーションカウンターよりも10倍以上も検出効率が優れていることが分り、また単色性にも優れているため非常に分離能の高いデータが得られることが分かった。この改造により所定の目的が達成される見通しが得られた。 これらの予備実験の結果を参考にして、現在ガラス融体に対する実験を準備中である。
|