研究課題/領域番号 |
04453071
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河合 七雄 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60127214)
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研究分担者 |
松本 卓也 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50229556)
北浜 克煕 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20029903)
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キーワード | 走査トンネル顕微鏡 / レーザー照射 / 走査トンネルスペクトロスコピー / SrTiO_3 / 励起状態 |
研究概要 |
分子励起状態における走査トンネル顕微鏡(STM)観察を目指して装置開発およびモデル系の探索を行った。STM観察中に探針の走査を指定の位置で停止・保持し、レーザーダイオードおよびエキシマレーザー光パルスを照射しながらトンネルスペクトルを測定するシステムを構築した。またモデル系として、表面光触媒活性を示し、銅フタロシアニンなどの有機半導体との間で、光誘起電荷移動の期待できるSrTiO_3単結晶表面について調べた。この成果として、超高真空中で加熱還元することにより、原子的平坦さをもつSrTiO_3単結晶の清浄表面を得ることに初めて成功した。この表面を走査トンネルスペクトロスコピーを用いて詳細に調べた結果、規則的酸素欠陥配列による表面再構成が起こっていることを明らかにした。また、この還元SrTiO_3表面と酸素分子の相互作用についても詳細に検討した。その結果、酸素分子は高真空中では還元SrTiO_3表面と吸着・脱離平衡状態にあり、酸素分子は酸素欠陥サイトに約1evの吸着エネルギーで分子状吸着することを見い出した。またさらに酸素の被覆率を増すと、酸素欠陥を完全に酸化することがわかった。この表面において半導体レーザー光照射下においてスペクトロスコピーを行うと、SrTiO_3表面順位におけるギャップがシフトすることを見い出した。現在、原子的位置分解能でこのような光照射の効果を調べており、酸素欠陥の役割について、検討を続けている。
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