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1992 年度 実績報告書

一酸化炭素のラジカル反応系を活用する新しいカルボニル化法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 04453087
研究機関大阪大学

研究代表者

園田 昇  大阪大学, 工学部, 教授 (20083983)

研究分担者 小川 昭弥  大阪大学, 工学部, 助手 (30183031)
柳 日馨  大阪大学, 工学部, 助手 (80210821)
神戸 宣明  大阪大学, 工学部, 助教授 (60144432)
キーワードラジカルカルボニル化 / 一酸化炭素 / 有機ハロゲン化物 / ホルミル化 / アルデヒド / 非対称ケトン / シクロペンタノン / スズヒドリド
研究概要

本研究においては,遷移金属触媒反応に依拠した従来型のカルボニル化法に代わる、ラジカル反応条件下での新しいカルボニル化法の開発を目的としているが、平成4年度においては下記のような顕著な研究実績を達成することが出来た。
(1)ラジカル反応に基づいた有機ハロゲン化物のホルミル化反応を新規に開発した。すなわち、有機ハロゲン化物の一炭素増炭したアルデヒドへの変換を、スズヒドリドを水素源として、一酸化炭素雰囲気下でのラジカル反応により達成した。従来型の遷移金属触媒反応によるホルミル化は、反応性の低いアルキルハロゲン化物のホルミル化を課題として残していたが、本反応系の実現により、問題の解決に到った。また、種々の官能基が共存した有機ハロゲン化物を用いての反応ではピンポイント型のホルミル化が可能であることを確かめた。
(2)有機ハロゲン化物と一酸化炭素、スズヒドリドとのラジカル反応系に、オレフィンを共存させたところ、三炭素成分の連結反応が効率良く生起し、非対称ケトンが良好な収率で得られることを明きらかとした。この新しいケトン合成法においてはエステル,シアノ,ホルミル等の官能基を備えたオレフィンを出発基質として利用出来る。さらに,本法はジヒドロジャスモンやムスコン等の天然香料の合成に応用可能であることを示した。
(3)分子内にオレフィン部位を有するアルケニルハライドを用い,一酸化炭素、スズヒドリドとのラジカル反応系で、カルボニル化とそれにつづく環化反応を検討した。その結果、シクロペンタノン類が効率良く合成できることを明らかとした。
以上示したように、本年度の研究実績は,ラジカル反応系によるカルボニル化の新原理の発見とその応用を果たしており、本研究の目的達成のための大きな第一歩を示すものとなった。次年度も,ひきつづき,新原理の応用による新しいカルボニル化系の確立に鋭意取り組む計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 柳 日馨: "一酸化炭素のラジカル反応を利用する新しいカルボニル化法" 有機合成化学協会誌. 50. 737-745 (1992)

  • [文献書誌] Ilhyong Ryu: "Four Carbon Component Coupling Reaction Based on Free-Radical Carbony lation:An Easy Access to β-Functionalizedζ,ε-Un saturated Ketones" Journal of the American Chemical Society. 115. 1187-1189 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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