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1992 年度 実績報告書

非対称置換ビピリジン誘導体の合成とその光機能設計

研究課題

研究課題/領域番号 04453095
研究機関東京大学

研究代表者

荒木 孝二  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40134639)

研究分担者 大月 穣  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80233188)
キーワード蛍光 / 有機発光体 / 固相発光 / 非対称置換 / ビピリジン / 互変異性
研究概要

固相で強い発光を示す安定な有機材料は各種の光学材料として注目されているが、固相発光の機構やその分子設計の方法論はまだ確立されていない。申請者らは、アミノ基を有する非対称置換2.2´-ビピリジン誘導体が特異な発光特性を示すことを見い出したことから、比較的合成例の少ない非対称置換ビピリジンの合成法を確立し、その発光挙動の詳細や分子構造との関連などを検討し、新規な固相発光体の開発を目指した。本年度の研究で得られた成果は以下の通りである。
まず非対称置換体の合成については、主にアミノ基とハロゲン基を持つ各種非対称置換体の合成法について検討し、1.無置換ビピリジンへのハロゲン置換基導入の条件制御に基づく非対称置換体の合成、および置換基変換によるハロゲン基からアミノ基への変換法の確立、2.対称ハロゲン置換ビピリジンの置換基変換の条件制御による非対称置換誘導体の合成、などの方法により各種非対称置換体を合成した。
次に、上記の合成で得られた非対称置換体の光物性について検討を行い、1.アミノ基を持つ非対称置換体が、大きなストークスシフト、高い発光量子収率を示し、固相でも400-500nm付近に発光を示すこと、2.アミノ基を持つ置換体は、対称置換体であっても溶媒・濃度によりデュアル発光を示し、分子間水素結合が重要な要因となっていること、などの知見を得た。
特にアミノ置換体が濃厚溶液中で示すデュアル発光について詳細に検討し、400nm近付の強い発光がアミノ型に由来するのに対し、450-500nm付近に観測される発光が微量存在するイミノ異性体に起因することを明らかにした(日本化学会第64秋季年会予講集II、p503、第65春季年会発表予定)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Araki,M.Fuse,N.Kishii,S.Shiraishi: "Ru(6.6´-Diamino-2.2´-bipyridine)_3^<2+> :Effect of Interligand Steric Strain on the Spectroscopic,Photochemical,and Electrochemical Properties of the Complexes" Bull.Chem.Soc.Jpn.65.1220-1224 (1992)

  • [文献書誌] K.Araki,T.Kuboki,M.yamada S.Shiraishi: "Preferential Formation of Amino Acid Esters in Aqueous Alcohol Solutions:Solvolysis of 6.6´-Bis(aminoacylamino)-2.2´-bipyridine by Metal Coordination" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1992. 1060-1063 (1992)

  • [文献書誌] K.Araki,S.K.Lee,J.Otsuki M.seno: "A New Class of Metal-Dependent Selective Anion Carrier:PH-Controlled Up-Hill Transport of SCN^-by Formation of Transition-Metal Complex" Chem.Lett.1993. 493-496 (1993)

  • [文献書誌] J.Otsuki,L.C.Chiang,S.H.Lee,K.Araki,M.Seno: "Sandwich-Type Molecular Recognition of Acceptors by 1,8-Dianthrylmethoxyanthraquinone" J.Supramol.Chem.(1993)

  • [文献書誌] K.Araki,H.Tajima: "Site-Specificities in the Interaction of Cu(II) whit Aldopentopyranoses in Dimethyl Sulfoxide" J.Inorg.Biohem.(1993)

  • [文献書誌] 大月 穣、荒木 孝二: "生物に学ぶ分子認識" 生産研究. 44. 469-474 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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