研究課題/領域番号 |
04453096
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
上野 昭彦 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (50091658)
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研究分担者 |
池田 博 東京工業大学, 生命理工学部, 教務職員 (70201910)
中村 朝夫 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (50155818)
池田 宰 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40151295)
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キーワード | シクロデキストリン / 分子認識 / センサー / 色変化 / サーモクロミズム / 電荷移動錯体 / 包接化合物 / 超分子 |
研究概要 |
新しい色変化型分子認識センサーとしてp-ニトロフェノール単位を有する修飾シクロデキストリンを合成した。この化合物は水溶液中pH6.5で黄色であるが、1-アダマンタノールのようなゲストを添加すると無色に変化する。(-)-ボルネオールのような他のゲスト化合物の添加によっても類似の色変化が起こるが、その程度は結合定数を反映して小さくなる。これらの測定には420nmの吸光度を用いた。シクロオクタノールやシクロヘキサノールでは、添加による吸光度変化は著しく小さくなり、この系は顕著な分子認識能力を有している。すでに報告したメチルレッドのゲスト添加による色変化は、溶液が酸性の時のみ起こる。しかし、本系では、ほぼ中性領域で色変化が達成されており、色変化センサーの作動領域が拡大しうることが示された。他方、アルカリ領域で作動するセンサーとしてフェノールフタレイン修飾シクロデキストリンを合成し、ゲスト添加による色変化を試みた。この場合、修飾シクロデキストリンの濃度が希薄であると、色変化は微小であったが、濃度が大であると色変化が観察された。現在、この現象について詳細な解析を行なっている。 色変化の研究に付随して、メチルレッド修飾シクロデキストリンがゲストが存在する時のみ、温度変化による色変化が観察された。すなわち、超分子系を用いるサーモクロミズムが実現した。この場合、水溶液の色は高温で赤、低温で黄色であった。 現在、電荷移動錯体形成を利用した修飾シクロデキストリン新型センサーとして合成している。
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