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1992 年度 実績報告書

多糖類の分子形態と溶液物性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04453107
研究機関大阪大学

研究代表者

則末 尚志  大阪大学, 理学部, 助教授 (10028227)

研究分担者 佐藤 尚弘  大阪大学, 理学部, 助手 (10196248)
寺本 明夫  大阪大学, 理学部, 教授 (00028151)
キーワード多糖類 / アミロース / ザンサン / 分子形態 / 二重らせん / 光散乱 / 液晶 / コレステリックピッチ
研究概要

多糖類の分子形態と希薄及び濃厚溶液物性を分子論的に明らかにする目的で,本年度はアミロースの分子形態とザンサンのコレステリック液晶構造の研究並びにセルロースのジメチルイソシアネート誘導体とヒアルロン酸の試料調製,分別,精製を行った。最後の二種の多糖の物性測定は次年度に行う。試料の分子量決定には沈降平衡法と光散乱法(既存の装置と設備備品の低角レーザー光散乱光度計)を併用し,これらの測定に加えて,粘度,旋光度,レーザー回折実験,光学顕微鏡観察を行った。得られた主な知見は以下の通りである。
1.ジメチルスルホキシド(DMSO)中のアミロースの分子形態は,排除体積効果を受けて膨んだランダムコイルであり,その鎖の堅さは,屈曲性高分子のポリメタクリル酸メチルと同程度である。ただしアミロースは局所的には不規則ならせん形態を有する。
2,DMSO中のアミロース鎖の特性比は水中におけるのとほぼ同じ値約5(分子量無限大の極限)で,両溶媒中の非摂動状態における分子形態は本質的に同じである。
3.ザンサン(棒状二重らせん)の0.1M Na cl水容液のコレステリック液晶には,熱力学的理論から予想されるコレステリックピッチの逆数と絶対温度の逆数との間の直線関係が成立しない。これに対し,ザンサン水溶液にDMSOを加えると直線関係が成り立つ。
4.3での実験結果は,塩水溶液中ではザンサン二重らせんの局所構造が温度上昇につれてわずかに変化するのに対し,DMSOの添加によりそのような構造変化が消えるためである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Shin-ichiro Inatomi: "Isotropic-Liquid Crystal Phase Equilibrium in Semiflexible Polymer Solutions:Effects of Molecular Weight and Ionic Strength in Polyelectrolyte Solutions" Macromolecules. 25. 5013-5019 (1992)

  • [文献書誌] 中西 靖: "アミロースの希薄溶液" Polymer Preprints,Japan. 41. 4349-4351 (1992)

  • [文献書誌] Yasushi Nakanishi: "Conformation of Amylose in Dimethyl Sulfoxide" Macromolecules.

  • [文献書誌] 則末 尚志: "「高分子物性の基礎」の中“分子鎖の形態"" 高分子学会編,共立出版, 19 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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