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1992 年度 実績報告書

固相重合による次元性を拡げた新規共役高分子の合成と基礎物性評価

研究課題

研究課題/領域番号 04453111
研究機関東北大学

研究代表者

中西 八郎  東北大学, 反応化学研究所, 教授 (50240651)

研究分担者 及川 英俊  東北大学, 反応化学研究所, 助手 (60134061)
小野 勝道  東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (40006325)
キーワード共役高分子 / 固相重合 / アセチレン誘導体 / オリゴイン化合物 / ポリジアセチレン
研究概要

1.先ず、オリゴイン化合物の固相重合による新規共役高分子合成を試みた。オリゴイン化合物の場合、両側の置換基を変えることにより種々の誘導体を作成できる。今年度は、ジイン、すなわち慣用名ジアセチレン化合物の場合に、固相重合性の配列を与え、定量的に1次元共役高分子ポリジアセチレン(PDA)を生じることが知られていた置換基の中から7種類を選び、それらを対称または非対称置換基として有するテトライン及びヘキサイン誘導体を多数合成した。これらの化合物の熱またはγ線照射による固相重合では、芳香環直結型の化合物は固相重合性を示さなかったが、その他の化合物は全て固相重合し、金属光沢のある共役高分子結晶を生じた。テトライン化合物の中ではウレタン基を有するモノマーの重合性が最も高く、またヘキサイン化合物はより高い重合性を有し、室温放置でも定量的に熱重合することが分かった。
2.得られた共役高分子の構造は、固体NMRにより解析した。その結果、いずれも、側鎖にアセチレン基が直結した主鎖一側鎖共役型のPDAであり、特にヘキサイン誘導体からのポリマーの場合には、側鎖で更に重合反応が進行して、2本のPDA鎖をジアセチレン基でつないだはしご状構造の共役高分子になることが分かった。
3.アセチレン基が直結したPDAは、共役の拡がりを反映して、エキシトン由来の吸収ピークが従来のPDAより長波長側にシフトし、吸収極大のシフト量は、側鎖中のアセチレン基の数に比例することが明らかになった。また、テトライン誘導体からのポリマーの場合、第3高調波発生法で求めた3次非線形感受率は10^<-9>esuオーダーで、従来の1次元共役型PDAより1桁以上大きな値であることが分かった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 中西 八郎: "高分子3次非線形光学材料" 季刊化学総説. 15. 145-161 (1992)

  • [文献書誌] H.Matsuda: "Molecular and Crystal Engineering of Polydiacetylenes for Enlarged Nonlinear Optical Susceptibility" Mol.Cryst.Liq.Cryst.217. 43-46 (1992)

  • [文献書誌] S.Okada: "A New Conjugated Ladder Polymer Synthesizes by Solid-State Polymerization of a Hexayne Compound" Chem.Lett.301-304 (1992)

  • [文献書誌] S.Okada: "Novel Linear and Ladder Polymers from Tetraynes for Nonlinear Optics" Proc.SPIE. 1560. 25-34 (1991)

  • [文献書誌] S.Okada: "Structure and Optical Proterty of Polymers Obtained by Solid State Polymerization of a Tetraacetylene Compound" Mat.Res.Soc.Symp.Proc.214. 29-34 (1991)

  • [文献書誌] S.Okada: "Structures of the Polymers Obtained by the Solid-State Polymerization of Diyne,Triyne and Tetrayne with Long Alkyl Substituents" Bull.Chem.Soc.Jpn.64. 857-863 (1991)

  • [文献書誌] 中西 八郎: "高分子機能材料シリーズ6 光機能材料" 共立出版, 65 (1991)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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