研究課題/領域番号 |
04453114
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
白井 汪芳 信州大学, 繊維学部, 教授 (80021153)
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研究分担者 |
小山 俊樹 信州大学, 繊維学部, 助手 (90178393)
英 謙二 信州大学, 繊維学部, 助教授 (60126696)
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キーワード | オイルゲル化剤 / ゲル / 水素結合 / 分子集合体 / アミノ酸 / バルビツール酸 / トリアミノピリミジン / D-ソルビトール |
研究概要 |
水素結合により互いに3次元的に絡み合って油をゲル化(固化)させる低分子化合物として、1)アミノ酸誘導体、2)バルビツール酸とトリアミノピリミジン誘導体の組み合わせの2種類について合成しゲル化剤としての性能を比較した。 アミノ酸誘導体のゲル化剤についてはN-カルボベンゾキシ-L-アミノ酸のステアリルアミドを中心に種々のゲル化剤を合成した。その中で特にL-バリン誘導体が優れたゲル化能を有することがわかった。この化合物は炭化水素、アルコール、ケトン、エステル、N、N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素、芳香族ハロゲン化合物、重油などの鉱油、植物油など極めて広範囲にわたって少量の添加でゲル化させることがわかった。またそのゲル化にはアミド結合間とウレタン結合間のそれぞれの水素結合が不可欠であることが示差走査熱量計、示差熱熱重量同時測定装置による測定により判明した。 バルビツール酸誘導体とトリアミノピリミジン誘導体の組み合せによるゲル化剤については、5、5-ビス(ドデシル)バルビツール酸と5-ヘキサデシル-2、4、6-トリアミノピリミジンの組み合せが良好なゲル化剤となることがわかった。これらの化合物をクロロホルムやシクロヘキサンに加熱溶解し放冷すると透明なゲル体となった。 以上、「アミノ酸誘導体のゲル化剤」および「バルビツール酸誘導体とトリアミノピリミジン誘導体の組み合せによるゲル化剤」について、計画通り良好なゲル化剤を開発した。特にアミノ酸誘導体のゲル化剤はさまざまな油類や有機溶剤に対して極めて少量でゲル体を形成することを確認した。なお、アミノ酸誘導体のゲル化剤の結果についてはすでに2報をJ.Chem.Soc.,Chem.Commun.に発表した。また他の結果についてもJ.Am.Chem.SocやJ.Colloid&Interface Sci.などの各誌に投稿準備中である。
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