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1992 年度 実績報告書

プラズマグラフトフィリング重合法による有害有機化合物除去膜の開発

研究課題

研究課題/領域番号 04453119
研究機関東京大学

研究代表者

中尾 真一  東京大学, 工学部, 助教授 (00155665)

研究分担者 谷村 志乃夫  東京大学, 工学部, 助手 (20236706)
都留 稔了  東京大学, 工学部, 助手 (20201642)
キーワード分離膜 / パーベーパレーション / プラズマ / グラフト重合 / トリクロロエタン / 廃液処理 / 水中有害物除去
研究概要

トリハロメタンに代表される有害有機化合物の水中からの効率的かつ経済的な除去技術の開発は極めて重要な課題である。本研究の目的は、水中に存在する極微量の有害有機化合物を効率よく除去するパーベーパレイション(PV)膜の開発にある。我々は既に有機溶媒分離用フィリング重合膜の開発に成功し、またこの重合法を用いて水中微量有機物除去膜の開発にも成功している。以前の研究でグラフトモノマーにメチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、ブチルアクリレート(BA)を用いたが、モノマーの側鎖が長いほど高い除去性能が得られることが分かっている。
本年の目的はさらに高い性能を持つ膜を開発するために、BAよりも側鎖の長いモノマーを用いてフィリング重合膜を作製する。基材として多孔性高密度ポリエチレン膜、グラフトモノマーとしてエチルヘキシルアクリレート(EHA)、ラウリルアクリレート(LA)、ステアリルアクリレート(SA)をそれぞれ用いた。
重合条件を種々検討した結果、EHAおよびLA膜については分離に十分な重合量である2mg/cm^2まで重合することができたが、SAについては1.5mg/cm^2までで重合量は頭打ちとなった。重合速度は側鎖が長くなるほど低下した。
それぞれの膜をFT-IR/ATR法および透過型微分干渉顕微鏡で観察した結果、グラフト重合相は基材内部にも形成している、つまりフィリング重合膜になっていることを確認した。
EHAおよびLA重合膜を用いて1,1,2-トリクロロエタン(TCE)を用いた水中からのPV除去実験を行った。予想通り側鎖を長くした今回の膜では以前のBA膜よりも高い除去性能が得られ、その値はLA膜で最も良い結果を示した。LA膜を用いると0.1wt%のTCEを80wt%以上に濃縮除去した。この膜の値は、現在報告されている既往の膜のなかで最も良い性能を示している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takeo Yamaguchi: "Solubility and Pervaporation Properties of the Filling-Polymerized Membrane Prepared by Plasma-Graft Polymerization for Pervaporation of Organic-Liquid Mixtures." Industrial & Engineering Chemistry Research. 31. 1914-1919 (1992)

  • [文献書誌] 山口 猛央: "有機溶媒を選択的に透過分離できる新タイプの分離膜" 化学と工業. 10. 1880-1883 (1992)

  • [文献書誌] Takao Yamaguchi: "Design of Pervaporation Membrane for Organic-Liquid Separation Based on Solubility Coutrol by Plaswa-Graft Filling Polymerization Technique." Industrial & Engineering Chemistry Research.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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