研究課題/領域番号 |
04453123
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
川崎 順二郎 東京工業大学, 理工学国際交流センター, 教授 (40016556)
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研究分担者 |
相田 隆司 東京工業大学, 工学部, 助手 (00262262)
中村 隆一 東京工業大学, 工学部, 助手 (50092565)
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キーワード | NITROGEN OXIDE / CATALYSIS / HYDROCARBON / ALUMINA / REACTION MECHANISM / OSCILLATION / OXIDATION / CARBON MONOXIDE |
研究概要 |
自動車排ガスは走行状態によって組成が変動している。昨年度はそのような濃度変動条件でのアルミナ上での酸化窒素-プロパン-酸素系の反応について検討を行った。本反応は多くの中間体を経由する複雑な反応系であったために変動操作効果に関する詳細な検討(吸着平衡定数や反応速度定数との相関など)が難しかった。そこで本年度は、排ガス浄化反応として重要な単位反応であり、かつ反応機構も簡単な貴金属触媒上でのNO-CO反応を用いて変動操作効果発現の機構を検討した。当該年度のテーマでは白金触媒を主に用いているが、これは変動操作効果についてより検討し、代替材料を探索するためのプロセスであり、本研究のテーマ"非白金族系触媒の開発"と矛盾するものではない。 白金/アルミナ触媒上でのNO-CO反応では変動操作効果が発現し、定常供給条件よりも非定常供給条件の方が活性が向上することがわかった。また、当該反応をコンピューターシミュレーションによって再現することにより、変動操作効果の発現は反応に対するCOの強い自己被毒性によることが説明できた。 一方、同じ白金族金属でもロジウムはNO-CO反応に高い活性を示すがCOの自己被毒性は弱いといわれている。また、このロジウムは資源的・経済的な意味からも最も削減を望まれる触媒である。そこでロジウムについて同様にコンピュータシミュレーションを行ったところ、白金に比べ、変動操作効果はほとんど見られないという結果が得られた。これは実験的にも裏付けられた。これらの結果から、変動操作効果を有する白金を触媒層入り口に、定常操作活性の高いロジウムを出口に充填することでより効果的な白金族触媒の利用が期待できる。このことは、コンピュータシミュレーションおよび実験から裏付けられた。 また、昨年度および当該年度の反応実験の結果を検討し、変動操作効果発現の判定法を提案した。この判定法および上記のコンピュータシミュレーションにより新しい自動車触媒の設計の指針が得られたといえる。
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