研究課題/領域番号 |
04453125
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
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研究分担者 |
本多 裕之 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70209328)
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キーワード | 醗酵生産 / 酵母 / オンライン測定システム / 高濃度培養 / 遺伝子組換え菌 / 増殖阻害物質 / ファジー制御 / 枯草菌 |
研究概要 |
1.平成4年度に引き続き、効率的な宿主-プロモーター系の探索を行った。宿主としては、本年度はS.cerevisiae YNN27株、プロモーターとしてPGK、SUC2、GAL7を用い、平成4年度に行ったS.cerevisiae 20B-12株系との比較を行った。その結果、宿主としては20B-12/PGKを用いた系が菌体濃度・比活性を含めた総合的評価の結果、最も優れていることがわかった。 2.遺伝子組換え酵母を用いて異種タンパク質を生産する場合、培地中のグルコース濃度とエタノール濃度が問題となるが、特にエタノール濃度の遺伝子産物生産に対する影響について明らかにした。増殖に関してはエタノール濃度が10g/lまでは阻害は受けないが、遺伝子産物生産では5g/lで阻害を受け、遺伝子産物生産のためにはエタノールを低濃度に保つ必要があることが示唆された。特に、ジャーファーメンターを用いる場合では、エタノール濃度を2g/lまでに抑制することが望ましいことがわかった。 3.上の検討で明らかなように、効率的な遺伝子産物生産にはグルコース及びエタノールを適切な濃度に保つ必要がある。そこで、オンラインで計測可能な変数を用いた醗酵システムの構築を行った。変数としては菌体濃度・溶存酸素濃度・グルコース及びエタノール濃度を用い、それぞれオンライン濁度計・溶存酸素計・オンライングルコース・エタノールアナライザーにより測定した。醗酵システムの制御はこれらの制御変数に対しファジールールを作成し、グルコースとエタノールを適切な濃度になるように行った。このファジー制御システムを遺伝子組換え酵母の培養に適用し、その遺伝子産物生産量を従来法と比較したところ、約2倍の増加が認められ、本法が培養工学的に有用であることが示された。
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