研究課題/領域番号 |
04453129
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学・栄養化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
千葉 誠哉 北海道大学, 農学部, 教授 (30001449)
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研究分担者 |
木村 淳夫 北海道大学, 農学部, 助教授 (90186312)
松井 博和 北海道大学, 農学部, 助教授 (90109504)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 全一次構造 / ジスルフィド結合 / 化学修飾 / Aspergillus niger |
研究概要 |
1.糸状菌α-グルコシダーゼの全一次構造の決定:A.nigerから単離された本酵素は、2つのサブユニット(P1およびP2と略称、分子量はそれぞれ約3.5×10^4および約9.8×10^4)から構成されていることが判明した。両サブユニットを分離後、プロテアーゼ消化や化学的切断法で調製したペプチド断片を気相シークエンサーを用いて配列解析した。その結果、P1は227個の、P2は719個のアミノ酸残基から構成されていることが明らかになった。本酵素のゲノムDNAの配列解析から、P1とP2はDNA上にこの順序で並んでいることが明らかになった。 2.自殺基質による糸状菌α-グルコシダーゼの親和標識反応の解析と触媒部位の決定:myo-Inositolから合成したConduritol B Epoxide(CBE)を本酵素に作用させ、その失活反応を検討した結果、本酵素とCBEが等モルで反応し、P2存在する触媒部位のアスパラギン酸が標識されることが明らかになった。 3.Maltalに対する2種類のβ-アミラーゼの反応機構の解析:2種のβ-アミラーゼをMaltalに作用させ、生成する2-Deoxymaltoseのアノマー型をβと決定した。次に、酵素反応をD_2O中で行い、単離精製した2-Deoxy-[2-^2H]maltoseを^1H-NMRを用いて解析した。各シグナルの帰属の結果、β-アミラーゼはシス方向からマルタールの二重結合を水和することが明らかになった。 4.糸状菌α-Glucosidaseの糖鎖構造の解析:本酵素は約25.5%の糖を含んでいる。アミノ酸配列の解析から13ヶ所以上の部位にAsn結合型糖鎖の存在が示唆された。これらの糖鎖をN-glycanaseで切り出し、HPLOで単離精製後、NMRやメチル化分析によりAsn結合型糖鎖の全構造の決定を行なった結果、α-ガラクトフラノシル残基をもつ3種の新しい糖鎖構造を含む7種の糖鎖構造を明らかにした。
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