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1992 年度 実績報告書

高度不飽和脂肪酸結合リン脂質分子種の役割

研究課題

研究課題/領域番号 04453130
研究機関京都大学

研究代表者

鬼頭 誠  京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (60027183)

研究分担者 森山 達哉  京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (60239704)
裏出 令子  京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (90167289)
キーワードER-60プロテアーゼ / 小胞体 / タンパク質代謝 / リン脂質 / ホスファチジルイノシトール / ホスファチジルセリン
研究概要

申請者らは小胞体に局在する新規システインプロテアーゼを発見した。ER-60プロテアーゼと命名した本酵素は従来より知られている細胞内システインプロテアーゼであるカテプシン類やカルパインなどとは異なるものであり、小胞体内腔のタンパク質代謝に関与していると考えられる。ER-60プロテアーゼのC末端近傍には、ヒトリポタンパク質A-2と相同性のある配列が存在することを見出した。リポタンパク質A-2が両親媒性のα-ヘリックスを形成しリン脂質と相互作用することに注目して、リン脂質の影響を調べた。ラット肝蔵小胞体にはホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルセリン(PS)が主として存在する。そしてPI及びPSはアラキドン酸含有分子種が76及び58%を占めている。ER-60プロテアーゼはPI及びPSによって阻害された。粗面小胞体上で合成された分泌タンパク質や膜タンパク質は、小胞体内腔に入り、そこで折りたたみや複合体形成が正しく行われたのちに目的地ヘトランスポートされる。しかし、構造形成が正しく行われなかったタンパク質は小胞体内腔において分解されることが知られている。このようなタンパク質の分解には複数のシステインプロテアーゼか関与していることが示唆されているが、そのような酵素の同定に関する報告はない。恐らくER-60プロテアーゼが役割の一端を担っているものと考えられる。そして、その活性が酸性リン脂質によって阻害されるということは、小胞体内でのER-60プロテアーゼの活性調節という点で興味深い。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] R.Urade: "Protein Degradation by The Phosphoinositidespecific Phospholipase C‐α Family from Rat Liver Endoplasmic Reticulum" Journal of Biological Chemistry. 267. 15152-15159 (1992)

  • [文献書誌] R.Urade: "Inhibition by acidic phospholipids of Protein degradation by ER‐60 protease,a novel cysteine protease,of endoplasmic reticulum" FEBS Letters. 312. 83-86 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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