研究概要 |
(1)セファロスポリン誘導体 7-アミノセファロスポリン酸はすでにセファロスポリン誘導体合成の出発原料として生産プロセスが確立されているが、本研究では、その3位の側鎖について、選択的脱アシル化、脱アシル体のメトキシメチル化及び副産物として生成するラクトン体の水解と脱アシル化について検討を行った。それぞれの反応を触媒する酵素活性を広く微生物に求めスクリーニクグを行い、脱アシル化酵素及びラクトン水解酵素活性を示す微生物を得ることに成功した。それぞれの反応の特性を明らかにし、セファロスポリン誘導体合成プロセスを開発する計画である。 (2)トラネキサム酸合成プロセス トラネキサム酸は止血剤として汎用されつつある化学合成品であるが、本研究では、ジニトリル化合物の選択的水和、脱アミノより幾何異性をもつトラネキサム酸合成中間体を生産するプロセスについて検討した。1,4ージシアノシクロヘキサンを原料として、コリネバクテリウム属細菌のニトリルヒドラターゼを利用して立体選択的にトランスー4ーシアノシクロヘキサンー1ーアミドを、さらに、アミダーゼの作用により、トランスー4ーシアノミクロヘキサンー1ーカルボン酸に変換した。本物質は、化学的に容易にトラネキサム酸に尊くことができる。培養条件,反応条件を最適化することにより、40%濃度の基質から99.4%の収率で変換するプロセスを確立した。 (3)ビタミンK_3 飼料添加用合成ビタミンKとして需要が増大しているビタミンK_3を石油留分に含まれる2ーメチルナフタレンから生産するプロセスを開発するために、変換活性を微生物に求めスクリーニングを行い、2ーメチルー1ーナフトールを経由して変換する能力をもつ微生物を分離することに成功し、変換条件について検討している。
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