研究課題/領域番号 |
04453135
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 五十麿 東京大学, 農学部, 助教授 (00012013)
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研究分担者 |
中嶋 正敏 東京大学, 農学部, 助手 (50237278)
柳沢 忠 宇都宮大学, 農学部, 教授 (90134262)
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キーワード | 雄性不稔(イネ) / ジベレリン / イムノアッセイ(ジベレリン) |
研究概要 |
本研究においては、イネの雄性不稔系統の雄性不稔発現機構を植物生理学的に解明することを主たる目的としている。本年度は、材料として核遺伝子支配による雄性不稔品種ニホンマサリと核遺伝子支配で且つ温度感応性遺伝子雄性不稔品種H89-1を用い、雄性不稔発現とジベレリンとの関連を追究した。ニホンマサリには、様々な段階で花粉の発達が停止した雄性不稔系統が存在するが、花粉の発達が初期の段階で停止して雄性不稔になっている系統では、ジベレリンがほとんど検出されなかった。一方、花粉の発達が比較的後期に停止した雄性不稔系統においては、イネの葯に置ける主要活性型ジベレリンであるGA4が、正常種と同等量含まれる系m統とその含量が著しく低下している系統とが認められた。また、一般にGA4含量の低い系統はGA4の前駆体であるGA24の含量も低い傾向が認められたが、GA4とGA24の比が他の系統と比較して大きく異なるものもあり、なお詳細な検討を要する。また、抗GA4抗体あるいは抗GA24抗体に対し、それぞれ高い免疫活性を有する未知物質の存在も認められた。これらはGA4、GA24含量に呼応して変動していた。 一方、温度感応性雄性不稔系統のレイメイにおいては、天候不順のため不稔化率が低く、不稔と内性ジベレリン量との関係を追究するための適切な材料を得ることができなかった。しかし、全長5cm前後の幼穂に既にGA24が検出され、葯中に高濃度で存在するGA4の前駆体として葯や花粉の形成以前に穂の他の部分で生合成されている可能性もあることが示唆された。
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