研究概要 |
1.S糖タンパク質とプロテインキナーゼ連結した膜タンパク質の存在の確認と構造の決定 (1)アブラナ科植物Brassica campestrisの柱頭を各種の界面活性剤を含む緩衝液によって抽出し,SDS-PAGEによって分離後,S糖タンパク質の抗体によって認識される物質を検索したが,S糖タンパク質以外には見いだされなかった. (2)S糖タンパク質間で相同性の高いアミノ酸配列および,プロテインキナーゼで保存されているアミノ酸配列をもとに,DNAプローブを作製し,柱頭より分離したmRNAにもとづき作製したsDNAを鋳型としてPCRを行ったところ,予想される大きさを持ったDNA断片が増幅された.これらの塩基配列を決定したところ,S糖タンパク質とプロテインキナーゼが連結したタンパク質をコードしていると遺伝子と判断され,現在このDNAをもちいて,cDNAライブラリーより全長をコードする遺伝子をスクリーニングしている. (3)自家受粉の際に起きることが予想されるリン酸化を検出するため,P31リン酸を用いて,追跡したが,かなりの量の柱頭を用いても,自家受粉の際に特異的にリン酸化されるタンパク質は検出できなかった. 2.S糖タンパク質関連物質の構造解析. (1)S糖タンパク質,およびNS糖タンパク質についてその糖鎖の結合位置を質量分析法を用いて決定した. (2)柱頭よりNS4糖タンパク質と思われるタンパク質を分離し,アミノ酸配列の一部を明らかにした.
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