0.1ppmで活性を示す活性フラクション200μgをDEAE-sephadexイオン交換カラムおよびSephadex G-25 superfineゲル濾過カラムにて精製し0.0008ppmで活性を示すフラクションを得、更に精製を進め0.0002ppmという極めて低い濃度で活性を示すフラクション10μgが得られたことから、その精製方法に従って更に大量のタバコ葉1900枚を用い活性物質の抽出精製を行った結果、0.0008ppmで花芽形成促進の活性を示すフラクションを合計168μgを得るに至った。このフラクションを更にTOYOPEARL HW-40Sカラムクロマトグラフィーを行って精製した。その際、クロマトグラフィーにかけたサンプルは何等UV吸収を示さなかったため、本クロマトグラフィーでは蒸留水で展開した各分離フラクションの凍結乾燥重量測定を行った。この重量測定の結果より溶出図を作成したところ、活性化区分を一つの山として描くことができた。この活性区分を集めて秤量すると53μgが得られ、0.0002ppmで花芽数を1.5倍に増加させる花芽形成促進活性を示した。 本研究で採用した生物検定法は活性サンプル無投与のコントロールでもある程度の花芽が発生する系であり、これにより得られた活性物質が花芽形成を促進するだけのものなのか、花成ホルモン活性と呼ぶべき花芽誘導活性も示すものなのかは、別個に調査すべき問題である。その実験の一つとして、本活性フラクションを短日性のアオウキクサLemna paucicostataに長日条件下で与えたが、Lemna植物体に花芽を誘導することはできなかった。
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