研究課題/領域番号 |
04453138
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
磯部 稔 名古屋大学, 農学部, 教授 (00023466)
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研究分担者 |
山下 興亜 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023411)
西川 俊夫 名古屋大学, 農学部, 助手 (90208158)
市川 善康 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60193439)
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研究概要 |
カイコ休眠ホルモン(DH)は胚発生時の生育を停止させるペプチドホルモンで、1991年24アミノ酸残基から成るアミノ酸配列順位を決定した。化学合成によりC末端アミドを確認し、アミノ酸残基数がC末端側からそれぞれ、18、14、11のペプチドを合成し、休眠ホルモン活性を測った。すなわち、天然型24 TDMKDESDRGAHSERGALCIGPRL(0.05 0.025 μg/pupa)、18SDRGAHSERGALCFGPRL(0.2μg/pupa)、14AHSERGALCFGPRL(0.3μg/pupa)、11ERGALCFGPRL(0.6μg/pupa)()内に蛹1頭当たりの注射量を示す。その後cDNAより決定した19位のトリプトファンから構成されるBom-1[19-Trp]で配列順序はTDMKDESDRGAHSERGALC(orW)FGPRL-NH2について比較検討した。これはほぼ同等のホルモン活性を示す。疎水性アミノ酸はC末端に極在し、これらを含む短ペプチド(アミノ酸残基数18、14、11)はすべてホルモン活性を示すことと共に、C末端が遊離カルボン酸の合成品は活性が認められず、C末端側が活性に必須であることが決定できた。疎水性アミノ酸は分子の高次構造に影響すると考えられたので、分子力場計算による空間配列の推定、およびNMRスペクトルによるROESY測定、さらに逆相クロマトグラフによる保持時間の比較によってこれらを検討した。コンピューターグラフィックスによるアミノ末端と遊離カルボン酸の分子の形の相違と活性との関連について疎水性に注目して研究を進めた。
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