• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

平行鎖セルロースの調製と天然セルロースの分子配向

研究課題

研究課題/領域番号 04453141
研究機関京都大学

研究代表者

中坪 文明  京都大学, 農学部, 助教授 (10027170)

キーワードセロオリゴ糖合成 / 長鎖アルキルセロオリゴ糖 / フォーカルコニック組織 / 正の球晶 / DSC分析 / スメクチック液晶 / 配向セルロース / 分子配向
研究概要

1.モデル化合物セロオリゴ糖の合成法の改良:まず、既に申請者等が開発した8量体までのセロオリゴ等の合成法を基本として、反応段数がより短く全収率が高い合成法を見い出すために出発物のグルコースの水酸基の保護基の選択について検討した。その結果、Pivaloyl基はGlucosyl donorであるImidate中間体を安定化し、Glucosyl化に際し生成物の立体選択性を向上させることが判明した。
2.長鎖アルキルセロオリゴ糖の合成:上記の合成ルートで調製されたセロオリゴ糖の還元性末端のAllyl基を、OsO_4酸化によるGlycerolglycoside誘導体への変換、長鎖アルキルエステル化した後保護基を除去すると目的の化合物が高収率で合成された。この方法により四量体までの一連の化合物が調製された。また、同様の化合物をAcetyl GlucoseおよびCellobioseから調製する方法を新規に開発した。
3.長鎖アルキルセロオリゴ糖の性質:(1)偏光顕微鏡とサーモシステムにより上記の長鎖アルキルセロオリゴ糖の結晶を観察した。その結果グルコース誘導体は50-60℃(融点:Melting point)から120-150℃(Clearing point)の温度範囲で液晶性を示し正の球晶が観察された。セロビオース誘導体においても基本的には同様のフォーカルコニック組織が観察された。すなわち、これらの長鎖アルキルセロオリゴ糖はある温度範囲でスメクチック液晶性を示し、分子が配向することが判明した。(2)DSC分析により、融点は長鎖アルキル鎖の疎水結合の、またClearing pointは糖の水素結合の崩壊する温度であることが判明した。以上の結果によりセロオリゴ糖あるいはセルロースの末端基にアルキル長鎖を導入すると分子が配向することがモデル実験によって支持れた。次年度は配向セロオリゴ糖ならびに配向セルロースの分子配向をX-線回折等により決定する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 西村 健: "Synthetic Studies of Cellulose X.Selection of suitable starting materials for convergent synthesis of cello-oligosaccharides" MOKUZAI GAKKAISHI. 39. 40-47 (1993)

  • [文献書誌] 中坪 文明: "セロオリゴ糖の化学合成とグリセロ糖脂質液晶" 化学と生物. 31. 11-12 (1993)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi