研究課題/領域番号 |
04453152
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
藤井 澄三 金沢大学, 薬学部, 教授 (20019649)
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研究分担者 |
松原 聰 京都府立大学, 生活科学部, 教授 (80046458)
大場 正志 金沢大学, 薬学部, 助手 (60115219)
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キーワード | サイトカイニン / 植物ホルモン / ゼアチン誘導体 / α-アミノアルデヒド / Wittig反応 / プリニル化 / タバコ・カルス検定法 |
研究概要 |
1.標的化合物(1'S)-1'-methyl-cis-zeatin[(1'S)-I]、その9-β-D-rilofuranoside[(1'S)-II]、(1'R)-、(1'S)-,及び(±)-2-hydroxy-1'-methyl-trans-zeatin(III)を次のようにして合成することができた。 (1)側鎖部の合成:L-Alanineを出発原料として、アミノアルデヒド、ciS-オレフィン化、DIBAH還元などを主容工程とする経路によって[S-(Z)]-4-amino-2-methyl-2-penten-1-oloxalate[(S)-4]を合成した。また、D-、L-、及び(±)-alanineから出発し、同様ではあるがtrans-オレフィン化を主要工程とする経路で[R-(E)]-、[S-(E)]-、及び(E)-(±)-異性体を合成した。 (2)プリニル化:E±3Nの存在下、上記の(S)-4に6-chloropurine及びその9-ribosyl体をそれぞれ作用させて、(1'S)-I及び(1"-S)-IIを好収率で合成した。また、(E)-系列の上記3種のアミン塩と2-hydroxy-6-methylthiopurineとを同様に反応させて、(1'R)-III、(1'S)-III、及び(±)-IIIを好収率で合成した。 (3)Farooqiらによって緑藻から単離された新しいサイトカイニンの各種スペクトルは、上記IIIのそれと一致したので平面構造3が確定した。しかし、天然品では光学活性の有無が測定されていないので、絶対構造は確定できなかった。 2.別の標的化合物cis-zeatin9-(2-deoxyriboside)(V)の合成は、上記1-(1)、(2)に類似する経路によって成功した。 3.タバコ・カルス検定法によってサイトカイニン活性を調べたところ、活性の強さは(1'R)-III〉(±)-III〉(1'S)-Iであり、(1"S)-II及び(1'S)-IIIは不活性であった。また、Vはキウリ子葉検定法では不活性であった。
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