研究課題/領域番号 |
04453161
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西川 一八 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (60109262)
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研究分担者 |
石川 正英 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (50212858)
上田 卓也 東京大学, 工学部, 助手 (80184927)
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キーワード | タンパク質生合成 / 非天然アミノ酸 / 分子整形術 / 人工タンパク質 |
研究概要 |
1)非天然型のアミノアシルpCpCpAの化学合成を行う際、保護基の選び方が単離収率に大きく影響することがわかったので、5'末端のリン酸および核酸塩基のアミノ基の保護基として、それぞれ中性条件下パラジウム錯体を用いて均一系で除去できるアリル基およびアリルオキシカルボニル基を導入し、インターヌクレオチドのリン酸と核酸の2'水酸基の保護基にはそれぞれフェニルチオ基およびエトキシエチル基を用いて合成を行うことにした。非天然アミノ酸としては、タンパク質への組み込み後の検出を容易に行えるようにするため、リシンの側鎖にビオチン基を導入したビオチニルリシルpCpAを合成した。 2)酵母フェニルアラニンtRNAを出発材料に、RNAの分子整形術を駆使してアンチコドンにCUAを持ち、3'末端のpCpCpAを欠くtRNAを量産できるようにした。また、ビオチン修飾したRNAやタンパク質を高感度に検出する方法の検討を行い、放射性標識をすることなくtRNA等の低分子RNAの塩基配列を解析できる新しい方法を開発することができた。残念ながら、アミノアシルpCpCpAの合成が間に合わず、非天然アミノ酸を結合したアミノアシルtRNAの構築までは至らなかったが、上記アミノアシルpCpA(Cが1残基短い)を用いた予備実験でリガーゼ反応の条件検討を行った。 3)大腸菌の無細胞タンパク質合成系とチオ-mRNA(ジヒドロ葉酸還元酵素;DHFR)を用いたモデル実験系を構築し、チオ-mRNAがヌクレアーゼ耐性や翻訳効率の点で天然のmRNAよりもすぐれていることを示した。当初予定した高度好熱菌の無細胞タンパク質合成系は反応の再現性や効率に問題があり、現在なお最適化の努力を続けている。
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