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1992 年度 実績報告書

窒素酸化物の放射線反応の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04453163
研究機関東京大学

研究代表者

勝村 庸介  東京大学, 工学部, 助教授 (70111466)

研究分担者 浅井 圭介  東京大学, 工学部, 助手 (60231859)
広石 大介  東京大学, 工学部, 助手 (20199110)
吉田 陽一  東京大学, 工学部, 助手 (50210729)
石榑 顕吉  東京大学, 工学部, 教授 (90010975)
キーワード窒素化合物 / 放射線反応 / 酸化・還元 / 直接効果 / シミュレーション
研究概要

窒素酸化物として硝酸水溶液を取り挙げ、セリウムイオン(Ce^<4+>)の放射線誘起還元反応のG値の硝酸濃度依存性を測定し、硫酸水溶液中でも比較検討を行った。硝酸水溶液中では硝酸イオン、非解離硝酸分子がスパー内反応を妨害し、スパー形成直後の分解生成物との反応が濃度増加とともに増すこと。さらに、高濃度下での硝酸イオン、非解離硝酸分子への放射線の直接効果の考慮が必要で、既に報告した硝酸ラジカル(NO_3)生成以外に、酸素イオンや酸素原子(O^-,O)の放出の過程が存在することを明らかにした。同じ観点からγ線照射、パルスラジオリシス法により硫酸リン酸の濃厚水溶液を対象に実験を行った。現在、過塩素酸、塩素酸を検討中である。
水溶液中の各種窒素酸化物の放射線誘起酸化還元反応に対し、これまで畜積されたてきた我々の知識が十分であるか評価するため、文献サーベイを行い、反応スキームと反応速度定数を整理した。さらに、いくつかの系で報告されている照射による反応生成物の定量実験の結果を対象に準備した反応スキーム速度定数を用いてシミュレーションを行った。硝酸、亜硝酸、NO溶存水溶液については定量的にかなり正確に再現できることから、扱った系についての知識は十分であると結論した。さらに希薄硝酸水溶液中の放射線によるエタノールのウラニルイオンの還元挙動についても、以前の我々の実験結果を再現することに成功した。今後酸化状態の低い、窒素分子からアンモニアに到る一連の窒素化合物の放射線反応について検討を進める予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 勝村 庸介・蒋 培云: "硝酸・硫酸水溶液のパルスラジオリシス NO_3とSO_4^-ラジカルの生成機構、収量と反応性" 放射線化学. 53. 11-22 (1992)

  • [文献書誌] P.-Y.Jiang,Y.Katsumura,R.Nagaishi,M.Domae,K.Ishikawa,K.Ishigure and Y.Yoshida: "Pulse Radiolysis study of Concentrated Sulfuric Acid Solutions" J.Chem.Soc.Faraday Trans.88. 1653-1658 (1992)

  • [文献書誌] P.-Y.Jiang,Y.Katsumura K.Ishigure and Y.Yoshida: "Reduction Potential of Nitrate Radecal in Agueous Solution" Inorg.Chem.31. 3135-3136 (1992)

  • [文献書誌] P.-Y.Jiang.Y.Katsumura,M.Domae,K.Ishigure,R.Nagaishi and Y.Yoshida: "Pulse Radiolysis Study of Concentrated Phosphoric Acid Solutions" J.Chem.Soc.Faraday Traus. 88. 3319-3322 (1992)

  • [文献書誌] Y.Katsumura,S.Yamamoto D.Hiroishi and K.Ishigure: "Radiolysis of Acid Water (0.4M.H_2SO_4)at Elevated Temperatures with Fast Neutrons and Proton Beam" Radiat.Phys.Chem. 39. 383-387 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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