研究概要 |
1.化学振動について 周期的色彩変化を伴う振動化学反応の時間変化や空間におけるパターン形式のビデオ撮影や数値解析により基礎教材の開発を行った。 1)教材の素材となる金属錯体による振動反応を電気化学および分光学的手法で計測し、コンピューターによる数値解析、グラフィック提示を行なった。また触媒のRu(II)錯体について新規化合物を合成し、その酸化還元挙動を調べた。(論文1,2) 2)空間振動のビデオ録画をコンピューター解析し、化学波進行速度を求めた。 2.化学反応によるパターン形成明礬の結晶作成について、高校生が簡単に取り組めるAl-Cr混合結晶の作成法や結晶スケッチをテキストとしてまとめた(「化学と教育」に投稿中)。リーゼガング環の生成、万能指示薬を用いた中和反応を効果的に使った空間模様や濾紙上の空間パターンの作成についてビデオ教材を作成した。 3.化学物質によるバイオミメテェックなリズムの発現 中田は食塩水と真水の混合によって生ずる単純な振動系を組合せ、生物現象によく見られる振動の共鳴や引き込み等の協同効果を視覚化し、実験方法を「化学と教育」誌に発表した。(論文3,4)4.パターン形成・秩序形成に関する大学教育 藤村は「秩序と混沌」の講義受講生を対象に秩序形成に関する意識調査を行なったが、-[ネットワーク]と言う概念把握がまだ不充分であることが分った。 今年度は基礎教材の開発の分野で顕著な成果をおさめた。今後、教育現場におけるこれらの教材の活用を図りたい。
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