研究分担者 |
花田 秀樹 広島大学, 理学部, 教務員 (50228508)
三浦 郁夫 広島大学, 理学部, 助手 (10173973)
住田 正幸 広島大学, 理学部, 講師 (10163057)
奥本 均 広島大学, 理学部, 講師 (00033879)
上田 博晤 広島大学, 理学部, 教授 (40033865)
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研究概要 |
1.ツチガエル40集団について,25遺伝子座の遺伝子頻度から遺伝距離を求めUPGMA法で系統樹を作成したところ,これらは西日本と東日本集団に分化し,さらに東日本集団は,第7染色体が性染色体で形態的に識別できる北部集団(ZW)と南部集団(XY),性染色体が識別できない関東集団に分化していることが分かった。 2.関東集団と西日本集団は,テストステロン処理による性転換の研究から,性染色体は識別できないが性決定機構はXY型であることが分かった。性染色体が分化した南部と北部集団では,性の転換は起こらなかった。 3.性決定機構がZW型の弘前集団とXY型である広島集団の間の正逆雑種では,ZYとZXは雄,WYとWXは雌となったが,ZW型の新潟集団とXY型の静岡集団の間では,ZYは雄,ZXは雄と雌,WXとWYはほとんど雌となった。 4.広島集団のツチガエルの雌の卵を2倍性卵核発生法で発生させると大部分は雌であるが一部は性転換によってXXの雄を生じる。また卵核発生半数体のうち変態後死滅した66匹はほとんどすべてがであったが,正常に成熟した3匹は雌であった。同質3倍体は繁殖能力のない雄となることが分かった。 5.トノサマガエルの広,熊野,および海田集団の一部とダルマガエルの岡山集団は第4染色体上に性決定遺伝子が存在し,雄ヘテロであったが,海田集団の残りの一部は第4染色体上には性決定遺伝子は存在しなかった。また,ダルマガエルの米原集団では,性決定遺伝子は第3染色体上にあり,雄ヘテロであることが分かった。 6.ニホンアカガエルでは,西日本の7集団は性決定遺伝子とAb遺伝子が連鎖していたが,東日本の一関と富山の2集団はAbとは連鎖せずMPI遺伝子と連鎖していた。秋田集団はAbとMPIのいずれとも連鎖していなかった。
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