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1992 年度 実績報告書

植物細胞分化の不可逆過程の解析

研究課題

研究課題/領域番号 04454011
研究機関東北大学

研究代表者

福田 裕穂  東北大学, 理学部, 助教授 (10165293)

キーワード細胞分化 / 管状要素 / 二次細胞壁 / プロテアーゼ / 液胞 / 細胞死 / 不可逆過程 / ヒャクニチソウ
研究概要

本研究では、ヒャクニチソウ葉肉細胞から管状要素(道管・仮道管細胞)への単細胞分化系を用いて、植物細胞分化の不可逆過程の解明を目指している。そのために、不可逆過程を二次細胞壁形成・成熟過程、細胞の自己分解過程に分け、それぞれの過程を生化学・分子生物学的に解析することとした。本年度は、以下に示すように、分子マーカーとなるいくつかの遺伝子及びタンパク質の単離とcharacterizationに成功し、同時にヒャクニチソウへの遺伝子導入系の作製にも成功した。次年度はこれらのマーカーを用い、不可逆過程の全体像を構築する。
1.ヒャクニチソウ管状要素過程で発現する3種のβ-チューブリン遺伝子は異なった発現パターンを示すことが明らかになった。
2.ヒャクニチソウ分化過程で発現するphenylalanine ammonia-lyase(PAL)cDNAを3種単離した。
3.分化特異的細胞壁peroxidase isozyme P5をFPLCと電気泳動を用いてほぼ単一のタンパクとして単離することに成功した。このperoxidaseの諸性質を明らかにした。
4.分化過程で発現するproteaseのうち最も主要な塩基性proteaseを部分精製した。
5.TED2-4遺伝子の発現解析から、これらの遺伝子は不可逆過程で強く発現することが分かり、これらの遺伝子も不可逆過程マーカーになることが示された。
6.外来遺伝子をRiプラズミドを用いてヒャクニチソウ細胞に導入し、外来遺伝子をもつ形質転換根を作ることに成功した。この結果、組織内でおこる木部分化過程での不可逆過程を外来遺伝子作用を通して解析する道が開かれた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Fukuda,H.: "Tracheary element formation as a model system of cell differentiation." Int.Rev.Cytol.136. 289-332 (1992)

  • [文献書誌] Fukuda,H.: "Control of xylem differentiation." Cellular Basis of Plant Growth and Development.(H.Shibaoka ed.). 85-92 (1992)

  • [文献書誌] Suzuki,K.,Ingold,E.,Sugiyama,M.,Fukuda,H.and Komamine,A.: "Effects of 2,6-dichlorobenzonitrile on differentiation to trachearyelements of isolated mesophyll cells of Zinnia elegans and formation of secondary cell walls." Physiol.Plant.86. 43-48 (1992)

  • [文献書誌] Kawahara,R.,Sunabori,S.,Fukuda,H.and Komamine,A.: "A geneexpressed preferentially in the globular stage of somatic embryogenesis encodes elongation factor lα in carrot." Eur.J.Biochem.209. 157-162 (1992)

  • [文献書誌] Fukuda,H.,Yoshimura,T.Sato,Y.and Demura,T.: "Molecular mechanism of xylem differentiation." Bot.Mag.Special Issue. 3. (1993)

  • [文献書誌] Sato,Y.,Sugiyama,M.,Gorecki,R.J.,Fukuda,H.and Komamine,A.: "Interrelationship between lignin deposition and the activities of peroxidase isozymes in differentiating tracheary elements of Zinnia:Analysis with L-α-aminooxy-β-phenylpropionic acid and 2-aminoindan-2-phosphonic acid." Planta.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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