研究課題/領域番号 |
04454014
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浅田 浩二 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50027182)
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研究分担者 |
遠藤 剛 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (90201962)
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キーワード | ラン藻 / Synechocystis PCC6803 / C4植物 / 循環的電子伝達 / NAD(P)Hデヒドロゲナーゼ / P700 |
研究概要 |
1.ラン藻Synechocystis PCC6803では、NAD(P)Hデヒドロゲナーゼ(NDH)のサブユニットの遺伝子を不活化した変異株で、P700^十の閃光照射後の再還元速度がDCMUの添加によりきわめて低下することから、循環的電子伝達が野生株に見られる循環的電子伝達が機能していないことを見い出した。すなわちラン藻の循環的電子伝達は、高等植物で報告されているフェレドキシン依存型ではなく、NAD(P)Hに依存していることを明らかにした。 2.上記の循環的電子伝達が起こる条件は、(1)NDHが正常にはたらいていること、(2)細胞質およびプラストキノンの電子プールが還元状態にあることであることが、変異株と暗所培養で飢餓処理した細胞の実験より明らかになった。 3.高等植物葉緑体では、光エネルギーで生成した還元当量を蓄積する電子プールがストロマに存在し、プラストキノンに電子を供与していることを明らかにし、ストロマのプールサイズを赤外光および飽和閃光照射後のP700の酸化還元速度から見積もった。この結果、P700当たり12から28個の電子プールサイズであることがわかった。このプールサイズは、強光または、嫌気条件下で増大した。 4.トウモロコシにおける光合成系間鎖の電子プールサイズは、P700当たり25電子で、c3植物の約2倍であった。系間鎖を還元し得るストロマの電子プールサイズは、P700当たり最大255電子に達した。こうした大きな電子プールは、葉肉細胞内のトリオースリン酸およびリンゴ酸によるもので、NAD(P)Hを経由して系間鎖に電子供与すると考えられる。
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