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1993 年度 実績報告書

ホヤにおけるアロ認識の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 04454024
研究機関東京工業大学

研究代表者

星 元紀  東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (20012411)

研究分担者 千葉 和義  東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (70222130)
松本 緑  東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (00211574)
谷口 克  千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
キーワードアロ認識 / ホヤ / 自家不和合性 / 接触崩壊 / 血球 / 精子結合 / キメラ胚 / フェノールオキシダーゼ
研究概要

異個体由来のマボヤ血球を混合した時に見られる接触崩壊は、受精における自家不和合性とともに、ホヤにおけるアロ認識の代表的な例であるが、これまで形態学的な観察のみがなされており、反応を定量化することは出来なかった。本研究によって、マボヤ血球は他個体由来の血球に接触すると、酸素消費が定量的に上昇することが明らかになった。しかも、この酸素消費の増加は、ファゴサイトーシスに際して見られるようなスーパーオキサイドアニオンやH_2O_2の産生を伴うものではなく、フェノールオキシダーゼを介したものであった。同様な酸素消費上昇は、卵と血球、あるいは濾胞細胞と血球の組み合わせでも両者が異個体由来であれば観察され、自家不和合性との繋がりを示唆しており、アロ認識分子の検索に新たな手掛かりが得られた。
また、カタユウレイボヤとは異なり、マボヤでは卵黄膜への精子結合数に、自家他家の区別が認められないことを既に示したが、今回、自家の精子は他家の精子による受精を全く阻害しないことが明らかとなった。この結果は、自家精子の卵黄膜への結合は生理的に意味が無い事を示唆し、配偶子のアロ認識を解析するには、このような非常識ともいえる可能性をも検討する事の重要性を意味している。
一方、受精における自家不和合性が、純粋に遺伝子支配によるのか、発生過程における一種のクローン選択を介するのかは不明であるので、2つの半胚によるキメラ個体を多数成体にしたうえで、同一個体由来の半胚を共有するキメラ個体間で、受精するか否かを検定することにした。このため、カタユウレイボヤを用い、胚の左右識別が容易になる8細胞期に半胚としキメラを作った。キメラ個体をある程度まで発生させることには成功しているが、未だ成体を得るには至っていない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Motonori Hoshi: "Effects of Protease Inhibitors on Sperm Binding to the Vitelline Coat of the Ascidian Eggs:Implication for Participation of Proteasome(Multicatalytic Proteinase Complex)" J.Exp.Zool.(in press).

  • [文献書誌] Motonori Hoshi: "Purification and Characterization of A Vitelline Coat Lysin from Ciona intestinalis Spermatozoa" Mol.Reprod.Develop.32. 383-388 (1992)

  • [文献書誌] Motonori Hoshi: "Metalloendoproteases Are Involved in Gamete Fusion of Ciona intestinalis" Develop.Biol.153. 165-171 (1992)

  • [文献書誌] Masaru Taniguchi: "Extrathymic differentiation of a T cell bearing Invariant Vα14Jα281 TCR" Intern.Rev.Immunol.(in press).

  • [文献書誌] Midori Matsumoto: "Studies on the vitelline coat 70kDa glycoprotein in the Ascidian,Halocynthia roretzi." The J.Reproduction and Development. 39. 108 (1993)

  • [文献書誌] Motonori Hoshi: "Specific Binding of Acrosome Reaction-Inducing Substance to the Sperm Head in Starfish" Zygote. 1. 121-127 (1993)

  • [文献書誌] 星 元紀(分担): "細胞社会のグリオバイオロジー" 講談社サイエンチフィク, 238 (1993)

  • [文献書誌] 星 元紀(分担): "配偶子の糖鎖「今なぜ糖鎖か」第1巻" 東京化学同人(印刷中),

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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