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1992 年度 実績報告書

神経細胞識別機構の分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 04454026
研究機関名古屋大学

研究代表者

藤澤 肇  名古屋大学, 理学部, 教授 (60079689)

研究分担者 川上 厚志  名古屋大学, 理学部, 助手 (00221896)
高木 新  名古屋大学, 理学部, 助手 (90171420)
キーワード神経発生 / 細胞識別 / 膜蛋白質 / cDNAクローニング / 神経回路 / ニューロン
研究概要

動物の神経系で見られる複雑で多様な神経回路の形成の分子的基盤を明らかにするため、アフリカツメガエルの脳神経系の特定のニューロンに発現することが明らかとなっている膜蛋白質B2のcDNAクローニングを行った。
アフリカツメガエル幼生脳より調整したcDNAライブラリーを抗B2抗体をプローブにしてスクリーニングし、B2分子の全長に対応する複数のクローンを分離し、これらクローンの塩基配列を決定した。ホモロジー検索の結果、B2分子はA5分子とも、また既知の神経系蛋白質とも全く異なる膜分子であり、細胞外と予測される部位にシステインが一定の間隔で配列する領域が3回繰り返されており、この領域は肝細胞増殖因子(HGF)のリセプターであるc-metプロトオンコジーンと類似性があることが明らかとなった。このようなB2分子の一次構造は、この分子が細胞成長因子のリセプターである可能性を示唆するものであるのかもしれない。しかしながら、c-metの特徴は細胞質領域にチロシンカイネースドメインを持っていることであるが、B2分子の細胞質領域にはカイネースドメインがなく、B2分子は何らかの細胞増殖因子のリセプターではなく、むしろ全く新たなカテゴリーに属する細胞接着分子である可能性も考えられる。
B2分子の細胞質領域は大変大きく、約700個のアミノ酸残基から成り立っているが、既知の分子とは全く類似性がない。今後、細胞骨格系、細胞内情報伝達系との分子的な関連の解析が重要であると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kunimasa Ohta: "Involvement of Neuronal Cell Surface Molecule B2 in the Formation of Retinal Plexiform Layers" Neuron. 9. 151-161 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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