研究課題/領域番号 |
04454037
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新名 惇彦 大阪大学, 工学部, 教授 (30029235)
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研究分担者 |
関根 政実 大阪大学, 工学部, 助手 (70226653)
高野 光男 大阪大学, 工学部, 教授 (20029036)
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キーワード | ペルオキシダーゼ / アスコルビン酸オキシダーゼ / 傷害誘導 / アブシジン酸 / エンハンサー / プロモーター / タバコ培養細胞 / 西洋ワサビ |
研究概要 |
タバコ培養細胞への遺伝子導入による物質生産系作成のための有用発現素子の解析をまず行った。 1)植物遺伝子の高発現プロモーターの解析:西洋ワサビのペルオキシダーゼ遺伝子prxC2,アラビドプシスのペルオキシダーゼ遺伝子PrxEaキュウリのアスコルビン酸オキシダーゼ遺伝子aso1はいずれもGUS′融合遺伝子のタバコプロトプラストでの一過性発現解析によりCaMV35Sプロモーターの約10倍の転写活性を示した。欠失上流断片の解析からPrxC2は-1023bpと-457bpの2か所に存在するヒト遺伝子のエンハンサーのコア配列が高発現に寄与していることが強く示唆された。aso1遺伝子では-736bpと-494bpの間にエンハンサー様配列が存在することが示唆されたが、既知のものと一致する配列は見出されなかった。prxEaは欠失に伴い順次プロモーター活性は低下し、数種の配列の複合により強い転写活性を示すと思われた。prxC2プロモーターはトランスジェニックタバコにおいても同じ傾向が示された。 2)prxC2の傷害およびABA誘導のシス領域:西洋ワサビのPrxC2遺伝子は傷害により転写レベルで発現が誘導された。上流断片とGUS融合遺伝子をもつタバコ形質転換体においては、傷害によりGUSが誘導発現した。次いで5'上流断片の欠失、ゲルシフトアッセイ、DNase1フットプリンティング解析を行った結果、傷害誘導のシス配列は-288bpに存在するCACGTGであると結論された。これを含むものでは傷害以外にもアブシジン酸によってもGUSが誘導された。また西洋ワサビにおいてもprxC2転写物がABAで誘導された。しかし、発現応答は傷害では2時間で十分であったが、ABAでは少くとも1日を要した。
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