研究課題/領域番号 |
04454052
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山木 昭平 名古屋大学, 農学部, 教授 (70210341)
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研究分担者 |
金山 喜則 名古屋大学, 農学部, 助手 (10233868)
今関 英雅 名古屋大学, 農学部, 教授 (90023431)
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キーワード | ソルビトール-6-リン酸脱水素酵素 / S6PDH / S6PDHのcDNAクローン |
研究概要 |
リンゴ実生より抽出した粗ソルビトール-6-リン酸脱水素酵素(S6PDH)を、ブチルトヨパール、ブルーセファローズ、セファデックスG-200ゲルクロマト、ADP-セファローズアフィニティークロマト、セファデックスG-150ゲルクロマトのステップにより約2000倍にまで精製し、SDS-PAGEにおいて約36kDaの単一のバンドを示した。分子量はゲルロ過で約65、000であり、ビワにおける本酵素と同様に二量体であると考えられた。VmaxはS6P合成反応において高く、特に中性付近でこの傾向が顕著であった。S6P合成反応における活性調節物質を探索したところ、糖及び糖リン酸エステルはあまり影響しなかったが、ATPが顕著な活性阻害をみせた。解析の結果、これはNADPHに対する競争阻害であり、ATP、ADPに対するKi値はそれぞれ0.18mM、0.3mMと求められ、生体内でもこれらの物質の濃度比によってソルビトール合成が調節されている可能性がある。リンゴ実生cDNAライブラリーより、ビワS6PDH抗体を用いて本酵素のcDNAクローニングを行い、上記精製酵素の一部アミノ酸配列との比較及び大腸菌における活性の検出により同定した。このcDNAクローンは310のアミノ酸をコードする930塩基対の翻訳領域をもち、計算分子量は35、000と精製標品のものとほぼ一致した。そのアミノ酸配列からアルドース、ケトース還元酵素ファミリーとの相同性が認められた。またS6PDHは葉緑体にも局在することが知られており、N末端付近のアミノ酸配列にも特異的なシグナルが認められた。
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