研究課題/領域番号 |
04454057
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
森本 幸裕 大阪府立大学, 農学部, 教授 (40141501)
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研究分担者 |
尼崎 博正 京都芸術短期大学, 造形芸術学科, 教授 (50141502)
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キーワード | 桂離宮 / コンピュータ・グラフィックス / 情報化 / 日本庭園 / 景観 / 景観シミュレーション / 庭石 / 音環境 |
研究概要 |
桂離宮庭園に存在する3千本を超える樹木のデータベースを作成し、そのデータベースを植物モデリング・可視化ソフトウェアであるAMAPのデータファイル(シーンファイル)に変換するプログラムを開発した。これによって、植生景観の骨格をモデリングできた。また、庭園建築物を3次元モデリングして植生景観に加え、さらに江戸時代に存在したとされる朱塗りの大橋のプロトタイプも加えて桂離宮庭園植生景観シュミレータを構築した。これによって、自在な視点からの景観を1280x1024ピクセルのフルカラー画像やさらに立体視画像で予測することができ、庭園外部建造物による景観破壊や庭園内の樹木密度の景観に及ぼす影響、通常は見にくい視点からの景観などが検討できることが明らかとなった。この成果は歴史的日本庭園を取り扱った、世界初の本格的コンピュータ・グラフィックスである。また、全庭石(護岸石組・景石809個、飛石1781個、延段1429個)について石質調査を行った結果、護岸石組・景石では有馬層群の熔結凝灰岩および丹波層群のチャートが、飛石では花崗岩と熔結凝灰岩が、延段では花崗岩が、それぞれ40%前後を占めていることが明らかとなった。桂離宮の庭石景観を特徴づけているのは、全体的に鮮やかな色彩の結晶片岩や赤白硅石とそれを包含するチャートが要所に配置されていることであり、また回遊園路に沿って菫青石ホルンフェルスや接触部の岩石など、特徴的な形態や模様を有するものが多用されていることである。さらに、庭園の音環境については鼓の滝の音のデジタル録音を行い、可聴範囲を明らかにし、園内における音圧レベルを明らかにした。
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