研究課題/領域番号 |
04454058
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
勝屋 敬三 筑波大学, 農林学系, 教授 (40015863)
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研究分担者 |
山岡 裕一 筑波大学, 農林学系, 講師 (00220236)
柿嶌 眞 筑波大学, 農林学系, 助教授 (40015904)
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キーワード | Puccinia / さび病菌 / 人工培養 / 単相世代 / 交配試験 / コムギ赤さび病菌 / 冠さび病菌 |
研究概要 |
1.コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita f. sp. tritici)、ノガリヤスの冠さび病菌(P. coronata var. coronata)、およびポプラ・ヤナギ属植物のさび病菌(Melampsora spp.)の担子胞子を各さび病菌の中間宿主に接種し、単担子胞子起源と考えられる精子器を有する葉片を表面殺菌し、人工培地上に静置した。その結果、コムギ赤さび病菌およびノガリヤスの冠さび病菌の単相世代培養菌株の確立に成功した。これらのさび病菌の培養菌株は、今回供試した培地中、修正Murashige & Skoog培地の無機塩類、ビタミン類に、庶糖またはブドウ糖40-80g/1、ペプティック・ペプトン2-4g/1、ラブレンコ・ブロス2-4g/1、寒天10g/1を含む培地上で最も良好に成長した。 2.分離した培養菌株のほとんどは、菌糸1細胞当り1核を有しており、DNA含量の測定結果から、この核はhaploidであることが確認できた。また、これらの培養菌株のコロニーでは胞子様構造および精子器の形成は認められなかった。 3.これらさび病菌の単担子胞子を直接培地上に静置し培養したが、培養菌株は確立できなかった。 4.単担子胞子起源と考えられる精子器より分離したノガリヤスのさび病菌培養菌株間の対峙培養を人工培地上で行った結果、2菌株のコロニーが接触した部分で菌糸の二核化が観察された。2核菌糸の先端部は時に肥大し、胞大様の構造を形成した。 5.今後は、より多くの菌株間で対峙培養を行うことおよび培養菌株と宿主植物上の精子器との交配試験を行うことにより、さび病菌の交配型を明らかにすることができると考えられる。
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