研究課題/領域番号 |
04454065
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
宮島 成尋 三重大学, 工学部, 教授 (80239409)
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研究分担者 |
小林 淳 三重大学, 工学部, 助手 (70242930)
富田 昌弘 三重大学, 工学部, 助教授 (20183494)
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キーワード | 単クローン抗体 / カイコ / ウイルス / 診断法 / ハイブリドーマ / 水晶振動子 / 免疫センサー / 感染増進物質 |
研究概要 |
1.アワヨトウボックスウイルスによって発現される封入体には2種類あり、その1つの包埋体には核多角体病ウイルスの感染を高めるタンパク質、感染増進物質(EF)の存在が知られている。このEFに対する単クローン抗体を作製し、その抗原特異性を検討した。その結果、EFに対する単クローン抗体は、包埋体の主要構成タンパク質であるspheroidinとは交差性を殆ど示さず、もう1つの封入体である紡錘体構成タンパク質とは強い交差性を示した。この結果は、紡錘体主要構成タンパク質である49.5kDaタンパク質が、ウイルス感染、増進作用を持つEFと共通のエピトープを有することが明らかになった。 2.カイコ細胞質多角体病ウイルス(CPV)を簡易にかつ短時間に検出する方法として、単クローン抗体と水晶振動子を用いた免疫センサーの開発を試みた。 まず、CPV-H系統に対する単クローン抗体のIgGを精製しその反応性を調査したところ、50万倍(IgG:1×10^<-5>gに相当)に希釈しても、1μg/mlのCPVをELISA法により検出できることが判明し、またwesternblotting分析により、ウイルスコアタンパク質とポリヘドリンタンパク質の両方に反応することが判明した。このIgGをプロテインAを固定した水晶振動子に結合させ、CPVを反応させると、共振周波数の変化により、抗原抗体結合により生じた重量増加よりも、非特異的吸着により生じた重量増加により大きな影響が示唆された。今後は、この非特異的吸着の減少を工夫することにより、高感度な免疫センサーが開発できると考察した。
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