研究概要 |
Nodulation type Aの根粒菌は、Rj_2Rj_3およびRj_4両遺伝子型ダイズに有効根粒を形成する菌であるが、本研究で作出したRj_2Rj_3Rj_4遺伝子型ダイズに根粒形成する菌も当然Type Aである。これらのダイズはType Aに属する菌株のみによって有効根粒形成するが、おのおののRj遺伝子型によって遺伝的・生理的特性が異なる菌を選択されるとするならば、Rj_2Rj_3Rj_4遺伝子型ダイズからの分離菌はNon-Rj,Rj_2Rj_3あるいはRj_4遺伝子型ダイズからのType Aの分離菌とは特性に相違があってしかるべきである。そこで、各種Rj遺伝子型ダイズを圃場栽培し、その根粒からの分離菌の生理的特性、すなわち、コロニーの形状、色調、酸・アルカリ産生能、インドール酢酸産生能、Rj_2Rj_3Rj_4遺伝子型ダイズに対する親和性などについて調査した。しかし、Rj_2Rj_3Rj_4遺伝子型ダイズから分離した根粒菌には他のRj遺伝子型ダイズからの分離菌と区別される顕著な特異性は認めることは出来なかった。つぎに分離根粒菌の染色体DNAの構造に特異性が存在するか否かを検討するため、その制限断片長多型RFLPを調査比較した。その結果、予想されたような明確な差異は認めることは出来なかったが、nodulation typeや生理的特性によって分類された各グループに属する根粒菌の間には、以下の傾向が読み取れた。すなわち、Ndulation type AのIs-17,Is-55,Is-77,Is-80のRFLPには類似性が認められ、nodulation type BのIs-1とUSDA122は同一、USDA33とは異なっていた。Nodulation type Cには3種のパターンがあり、IAA産生能を有する分離菌とUSDA61のRFLPには、450kb付近に特徴的バンドが認められた。
|