研究課題/領域番号 |
04454085
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
山本 福壽 鳥取大学, 農学部, 助教授 (60112322)
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研究分担者 |
玉井 重信 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (60026606)
岡田 滋 鳥取大学, 農学部, 助教授 (40233332)
橋詰 隼人 鳥取大学, 農学部, 教授 (60032075)
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キーワード | トベラ / ミズメ / イチョウ / クロマツ / 乾燥ストレス耐性 / アブサイシン酸(ABA) / 水ポテンシャン / 菌根 |
研究概要 |
本研究では樹木の乾燥ストレス耐性の生理機構を中心に以下の課題についての検討を行った。(1)樹木の乾燥ストレス耐性、適応性発現におけるアブサイシン酸の生理的役割。(2)海浜の乾燥地に生育するクロマツの乾燥適応能と菌根菌の生理的役割。 (1)水耕栽培法を用いて培地の水ポテンシャルを調節することによりトベラ、ミズメ、イチョウの3樹種の成長、ストレス耐性の変化、およびABA量の変化を調べた。トベラ、ミズメの伸長及び肥大成長は水ポテンシャルの低下とともに顕著に低下した。これに対しイチョウの伸長成長、肥大成長はストレス下で促進される傾向を示した。バイオマスは特にトベラの新葉、新条量の低下が認められた。イチョウでは新葉、新条量に差がなかったが、根量はストレス下で顕著に増加した。遊離型のABA量はいずれの樹種もストレスの増加とともに高い値を示した。この結果、ストレスに対する成長低下やABAの生成はトベラが最も速やかであった。さらに上記の実験によってストレス前歴を与えたトベラ、ミズメの乾燥耐性変化をABA生成との関連から検討した。この結果トベラの前歴個体は急激な水欠差に対して速やかな内生ABA量の増加を示し、蒸散量を急速に低下させた。しかしミズメではストレス前歴の影響はほとんど認められなかった。 (2)in vitro実験系を用いてクロマツの芽生えにアミタケ及びヌメリイグチの菌根を形成させ、乾燥耐性に及ぼす影響を検討した。この結果、クロマツ芽生えの生存率は菌根の形成によって上昇し、バイオマス成長もまた増加することが確認された。乾燥ストレスにさらされたクロマツ芽生えについては、菌根の有無によるバイオマスの差は認められなかったが、針葉の褐変や壊死などの比率は菌根形成区で軽減されていた。
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