市販のウド(Aralia cordata)4.5kgを10mMEDTAを含む0.2MのTris-HCIバッファー(pH7.5)中でホモゲナイズし、上精から40-70%硫安で、タンパク質を沈澱させた。沈澱は脱塩後0.5M硫安を含む10mMTris-HCI-EDTA(pH7.5)バッファーに溶かし、ブチルトヨパールカラムで分別し、シナミルアルコールデヒドロゲナーゼ酵素活性を分画した。活性分画をMonoQカラムで、さらにNADP+アガロースマトリックスによるアフィニテイクロマトグラフィーで精製した。得られたシナミルアルコールデヒドロゲナーゼ(CAD)はシナミルアルコールに特異的で、コニフェリルアルデヒド、シナップアルデヒドをコニフェリルアルコールとシナピルアルコールに還元した。なお合成した基質および酵素生成物の同定はGCおよび本研究費で購入したHPLCで行った。本酵素の分子量はSuperose12によるゲルろ過分析(標準物質との比較)で72000と決定した。この酵素は大きさの異なる二つのサブユニットからなり、Walterらによってビーンから分離された酵素(後にCADではなくマリクエンザイムと推定された)と異なっていた。精製した酵素50μgをチアノーゲンブロミド/HCOOHで分解し、生成したペプチドをC18-逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル0-80%/TFA)で分別した。得られたペプチド部分的アミノ酸配列をガスフェースシクエンサー(ABI)を用いて決定した。
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