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1992 年度 実績報告書

乳腺上皮の増殖調節に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04454105
研究機関東京大学

研究代表者

河本 馨  東京大学, 農学部, 教授 (30011894)

研究分担者 森 誠  静岡大学, 農学部, 助教授 (90143411)
青木 不学  東京親学, 農学部, 助手 (20175160)
酒井 仙吉  東京大学, 農学部, 助教授 (80114487)
キーワード乳腺上皮 / ホルモン / 成長因子 / MAPキナーゼ / P34^<cdc2>キナーゼ / P32^<cdk2>キナーゼ / 分裂調節 / シグナル伝達
研究概要

乳腺上皮細胞の分裂増殖は、多数のホルモンにより制御される複雑な現象である。これらホルモンの相互作用を解明するためには、in vitroにおける個々のホルモンの作用機序を調べるとともに、成長因子の細胞内情報伝達における相互作用を明らかにすることが必要である。本研究は、このような目的のもとに計画されたものである。乳腺上皮の増殖は、生体ではエストロゲン、プロゲスタゲン、成長ホルモン、プロラクチンなどによって調節されているが、培養条件下では、これらのホルモンには直接の分裂誘導作用がなく、間接作用と考えられる。乳腺には成長ホルモンのレセプターが存在せず、成長ホルモンの作用は、肝臓よる分泌されるインシュリン様成長因子を介するものと考えられる。本研究では、コラーゲンゲル細胞培養法により、インシュリン、インシュリン様成長因子、上皮成長因子などの乳腺上皮細胞に対する増殖作用を調べるとともに、これら成長因子の細胞内情報伝達に関与するMAPキナーゼ、細胞分裂のG1/S期、G2/M期を制御する酵素であるcdk2キナーゼ、cdc2キナーゼなどの酵素蛋白質の存在をイムノブロット法により検出することを試みた。その結果、細胞培養では乳腺上皮細胞はインシュリン、インシュリン様成長因子、上皮成長因子の単独、または組合せにより増殖し、これらの1つが必須である。エストロゲンは効果がなく、プロラクチンとプロゲステロンの組合せは上記3種類の成長因子の1つが存在する場合にのみ有効であった。MAPキナーゼ、cdk2キナーゼ、cdc2キナーゼは、同期中、妊娠、泌乳の各時期に同様に存在し、成長因子のレセプターからのシグナルによって常に活性化される状態にある。今後は、これら蛋白質の酵素活性を測り、活性型か非活性型かを検討するとともに、これら成長因子のレセプターがどのように調節されているかを明らかにすることが重要である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] SUZUKI Maki,KOHMOTO Kaoru,SAKAI Senkiti: "Radioreceptor assay of serum prolactin using nitro-cellulose membrane-immobilized mammary prolactin receptor." Analytical Biochemistry. 200. 42-46 (1992)

  • [文献書誌] AOKI Fugaku,CHOI Tae-Seng,MORI Makoro,KOHMOTO Kaoru: "A deficiency in the mechanism for p34^<cdc2> protein kinase activation in mouse embryos arrested at 2-cell stage." Developmental Biology. 154. 66-72 (1992)

  • [文献書誌] CHOI Tae-Seng,AOKI Fugaku, YAMASHITA Masakane, KOHMOTO Kaoru.: "Direct activation of p34^<cdc2>protein kinase without preceding phosphorylation during meiotic cell cycle in mouse oocytes." Biomedical Research. 13. 423-427 (1992)

  • [文献書誌] SAKAI Senkiti: "Effect of administration of actinomycin D and protein-synthesis inhibitors on the binding of prolactin to the mammary gland prolactin receptor in the mouse." Animal Science and Technology. 63. 1-7 (1992)

  • [文献書誌] KANAI-AZUMA M.,KANAI Y.,KUROMARU M,SAKAI S.HAYASHI Y.: "Insulin-like growth factor-I stimulates proliferation and migration of mouse ectoplacental cone cells,while IGF-II transforms them into trophoblast giant cells." Biology of Reproduction. 48. 252-261 (1992)

  • [文献書誌] SAKAI Senkiti: "プロラクチ受容体による乳腺機能の調節-受容体遺伝子の構造-" 日本畜産学会報(総説). 63. 1203-1208 (1992)

  • [文献書誌] 河本 馨: "新生化学実験講座1.タンパク質合成および発現(分担執筆)pp・151-157" 東京化学同人, (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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