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1993 年度 実績報告書

乳腺上皮の増殖調節に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04454105
研究機関東京大学

研究代表者

河本 馨  東京大学, 農学部, 教授 (30011894)

研究分担者 森 誠  静岡大学, 農学部, 助教授 (90143411)
青木 不学  東京大学, 農学部, 助手 (20175160)
酒井 仙吉  東京大学, 農学部, 助教授 (80114487)
キーワード乳腺 / レセプター / プロラクチン / インシュリン / MAPキナーゼ / 細胞増殖 / 成長因子 / 分化
研究概要

細胞培養系では、乳腺上皮細胞は基本的にはインシュリン、インシュリン様成長因子(IGF)-I、EGFなどの成長因子により増殖する。プロラクチンとプロゲステロンはこれらをさらに促進する。インシュリン、IGF-I、EGFのシグナル伝達においては、MAPキナーゼを燐酸化し、活性化する。そこで最初に、乳腺上皮の増殖の盛んな妊娠初期と、ほとんど増殖のない泌乳期の乳腺をMAPキナーゼの抗体を用いてウェスタンブロットにより調べたところ、その時期にかかわらず、MAPキナーゼは存在し、レセプターからのシグナルがあり次第伝達される状態であると考えられる。MAPキナーゼの燐酸化状態を電気泳動距離の変化から推定することを試みたが、まだ成功していない。次に、プロラクチンにより増殖が特異的に刺激されるNb2細胞を同期化して、同様にMAPキナーゼをウェスタンブロットにより検出したところ、プロラクチンの刺激により特に変化は見られず、また、酵素活性にも変化はなく、MAPキナーゼの経路が使用されていない可能性が示唆された。Nb2細胞では、プロラクチンの刺激により核内の発癌遺伝子c-mycは活性化されるので、MAPキナーゼが活性化されることなく、他の経路によりシグナルが伝達されるものと考えられる。ところで、乳腺は、周期中でも妊娠中でも、必要なホルモンがあれば、いつでも最終分化して泌乳を開始する。最終分化にはプロラクチンのレセプターが誘導されることが必要条件である。今回、競合阻害を利用したPCR法により、このプロラクチンのレセプターの誘導をmRNAレベルにおいて明らかにした。すなわち、最終分化の際には、糖質コルチコイドによって、新たにプロラクチンのレセプターが転写され、プロゲステロンがこれを抑制する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] NISHIMURA T,SATOW H,TAKESHITA N,KOHMOTO K: "Expression of the mC26 gene encoding GlyCAM 1 in the lactating mouse mammary gland." Journal of Biochemistry. 114. 567-569 (1993)

  • [文献書誌] AZUMA-KANAI M,KANAI Y,KUROHMARU M,SAKAI S,HAYASHI H: "Insulin-like growth factor(IGF)-I stumulates proliferation and migration of mouse ectoplacental cone cells,while IGF-II transforms them into trophoblastic giant cells in vitro." Biology of Reproduction. 48. 252-261 (1993)

  • [文献書誌] 酒井仙吉,加藤正夫: "受容体タンパク質「プロラクチン受容体」" 広川書店, 7 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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