研究課題/領域番号 |
04454106
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
島田 清司 名古屋大学, 農学部, 教授 (40065579)
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研究分担者 |
斎藤 昇 名古屋大学, 農学部, 助手 (40211924)
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キーワード | ニワトリ / 卵胞成長 / 卵巣 / 卵胞膜外細胞 / 17のヒドロキシラーゼmRNA / テストステロン / アロマターゼmRNA |
研究概要 |
産卵鶏の卵巣には数個の黄色区卵胞と多数の白色卵胞が存在し、性ステロイドホルモンをそれぞれの卵胞壁細胞層で産生している。そして卵胞成長に伴って性ステロイド産生部位と量を変化させているが、その調節機構は十分明らかではない。ステロイドホルモンの産生には合成酵素が最も重要な役割を果しているので、その酵素の産生を遺伝子のmRNAレベルで明らかにすることが本研究の目的である。従って、卵胞成長に伴う卵胞膜組織のP450_<17>α hydroxylase及びP450aromatase mRNA量を定量し、LH、forskolin、プロジェステロン及びテストステロンの影響を検討した。 (1)白色小卵胞、黄色小卵胞、排卵前第3卵胞、排卵前第1卵胞の卵胞膜細胞層を排卵前14時間に採取し細片した組織を培養した。LH、forskolin及びプロジェステロンの各mRNA量に対する影響を検討した。プロジェステロン投与により白色卵胞及び黄色小卵胞各卵胞膜層に対しエストラジオール分泌量、P450_<17>α hydroxylase及びaromatase mRNA量が増加した。 (2)排卵前14時間前に排卵前第4、5卵胞、第3卵胞及び第1卵胞の卵胞膜の外細胞層のみを採取、細片としLHあるいはテストステロンを投与して培養した。LHに対しては何の反応もみられなかったが、テストステロンに対しては、第4、5卵胞膜外細胞層はエストラジオール量が増加した。LH投与に対し、第4、5卵胞及び第3卵胞の卵胞膜外細胞組織はP450_<17>α mRNA量が増加した。テストステロンに対しては、第4、5、第3、第1卵胞の卵胞膜外細胞でP450aromatase mRNA量を著しく増加した。 以上の結果、卵胞膜外細胞組織のP450aromatase mRNAはLHやC-AMPに反応するというより、エストラジオールの前駆物質でありP450aromataseの基質であるテストステロンによって調節されると考えられた。また、in situ hybridization解析の結果、黄色小卵胞の卵胞膜内細胞層にはP450_<17>α hydroxylase mRNAが、卵胞膜外細胞層にはP450aromatase mRNAの局在性が明確となった。
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