研究課題/領域番号 |
04454127
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
田中 修 島根医科大学, 医学部, 教授 (50025615)
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研究分担者 |
橋本 龍樹 島根医科大学, 医学部, 助手 (90252907)
帯刀 禮子 島根医科大学, 医学部, 助手 (10112129)
八田 稔久 島根医科大学, 医学部, 助手 (20238025)
大谷 浩 島根医科大学, 医学部, 助教授 (20160533)
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キーワード | マウス全胚培養法 / 形態形成 / 発生工学 / 重層培養 / 子宮外胎仔発生法 |
研究概要 |
胚盤胞期から着床以後のマウスの発生について観察するため、胚培養方法の開発・検討を行った。本研究において、ラット血清を用い、重層培養法を利用して胚静置培養を行った。Feeder cellとして、妊娠12または13日マウス胎盤細胞と、妊娠3日のマウス子宮内膜細胞を用いた。その結果、胚が原始線条期まで発生する頻度は、胎盤細胞をFeeder cellとして利用した場合が最も頻度が高く、子宮内膜細胞やコラーゲンをコートしたシャーレのみでは、培養した胚すべてが途中で発生が止まった。Feeder cellからの分泌物の作用を確かめるため、胚と接触せずに培養できるMillicell(Millipore社)や胎盤細胞を培養したconditioned mediumを用いて培養した。その結果、胎盤細胞による重層培養と同程度の頻度で発生した。これらの結果、着床後の胚の発生には胎盤の細胞より分泌される物質が必要であることが示唆された。一方、子宮切開法を用いたマウス胎児への外来遺伝子の導入法と、様々な発生現象に関与する各種ペプチドの生理活性についてのin vivoにおける検索方法の確立を行った。胎児への外来遺伝子の導入に関しては、リポソームの担体としての利用を検討したが、この方法では高濃度のDNAを胎児へ注入することが容易ではなく、否定的な結果が得られた。また、高濃度DNA溶液(Lac Z)を直接マウス14日胎児腹腔へ注入した群で、その後の発生各時期において導入遺伝子の発現が強く示唆される個体が得られ、現在検討中である。DNAの構造に関して、現在linearおよびcircularのものをそれぞれ用いて検討している。発生現象に関与する生理活性ペプチドのin vivoにおける解析に関しては、特に細胞接着に重要な役割を果たしているRGDペプチドの大脳発生における意義を検討し、脳室帯で増殖した神経細胞の新皮質への分布には重要な役割を有していることが示唆された。
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