研究課題/領域番号 |
04454157
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山本 尚三 徳島大学, 医学部, 教授 (50025607)
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研究分担者 |
鈴木 啓史 徳島大学, 医学部, 助手 (80253194)
林 陽子 徳島大学, 医学部, 助手 (60035441)
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キーワード | アラキドン酸 / シクロオキシゲナーゼ / リポキシゲナーゼ / 酸素添加酵素 / 不飽和脂肪酸 / プロスタグランジン |
研究概要 |
プロスタグランジンなどのアラキドン酸代謝物は、種々の生理現象や病態に関与する。これらはあらかじめ生合成されて蓄積したものが刺激に応答して放出されるのではなく、新規の生合成が刺激応答性に始まる。したがって、生合成にかかわる酵素の動きを研究することは生理作用の機構を理解するために必要で、初発酵素のシクロオキシゲナーゼとリポキシゲナーゼの生理的ならびに病理的動態とその調節機構を、細胞レベルさらに分子レベルで追究し、病態の発生機構との関連で解明することを、本研究計画の目的とし、本年度は以下の知見を得た。 1)シクロオキシゲナーゼの動態:最近この酵素のアイソザイム(COX-2)が見つかり、従来の酵素(COX-1)との相互の生理的病態的役割が注目されている。ラットの骨芽細胞MC3T3-E1にいくつかのプロスタグランジンを与えると、速やかにCOX-2が誘導されて1-2時間で最大値(数十倍)に達し、その後は消退して行くが、COX-1の方はゆっくりと6-8時間かけて2-3倍に達した。この2つの酵素の異なる動態の意義が注目される。 2)12-リポキシゲナーゼの動態:ヒトの表皮細胞の一次培養細胞に12-リポキシゲナーゼが見出され、基質特異性・抗体との反応性・PCR増幅したmRNAの違いから、血小板型の酵素であることがわかった。ヒト表皮細胞の癌細胞株A431にも、同じように血小板型の12-リポキシゲナーゼが見出され、それが表皮成長因子で2-3日かけて2-3倍に誘導されることが見出された。
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