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1993 年度 実績報告書

ジグリセリドキナーゼに関する生化学的,遺伝子工学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 04454158
研究機関札幌医科大学

研究代表者

加納 英雄  札幌医科大学, 医学部, 教授 (70045475)

研究分担者 甲斐 正広  札幌医科大学, 医学部, 助手
和田 郁夫  札幌医科大学, 医学部, 助手 (40182969)
今井 伸一  札幌医科大学, 医学部, 助手 (20213209)
坂根 郁夫  札幌医科大学, 医学部, 講師 (10183815)
キーワードジアシルグリセロールキナーゼ / ホスファチジン酸 / ホスファチジン酸ホスファターゼ
研究概要

ジアシルグリセロール(DG)をホスファチジン酸に変換するDGキナーゼ(DGK)について、分子生物学的検討を行なった。PAホスファターゼについても酵素精製に成功後(JBC,-92)、cDNAクローニング中である。1。最初にクローン化されたDGKアイソザイム(alpha型)の、ラット脳におけるオリゴデンドログリアに限局した発現が明らかにされた(Mol.Brain Res.-92)。2.DGKalphaへ転写調節機構を解明するため、ヒト染色体遺伝子をクローン化して解析した。この遺伝子はハウスキーピング遺伝子の特徴を持ち、5′-フランキング部位は基本的なプロモーター活性を示すが、この遺伝子の細胞特異的な発現機序を説明できなかった(BJ.-93)。3.第3番目のヒトDGKアイソザイム(gamma型)のcDNAクローニングを行なった(投稿中)。DGKgammaはヒト網膜に特徴的に強く発現しているが、ほかの組織、細胞での発現は極めて少ない。更に脳と網膜以外の細胞では、25アミノ酸残基欠損した不活性の酵素をコードする、短縮型mRNAが発現していた。亜鉛フィンガー、EFハンドなどの基本構造は保持されている。4.DGKの亜鉛フィンガーの機能を調べるために、この部位の点変異導入型、欠損型のcDNAを調製し、COS細胞、Sf9細胞で発現させて、変異型酵素の性質を調べた。いずれの変異体にも弱いながらDGK活性が残存した。一方変異体のホスファチジルセリン結合能が著しく低下していた。DGKの亜鉛フィンガーはDG結合部位ではなく、リン脂質結合部位であることが示唆された。5.DGKの機能を明らかにする目的で、ブタDGKaを安定発現するNIH3T3細胞クローンを得て、解析中である。前報(FEBS Lett.,-92)に一致して、これらのクローンの細胞内DG量は半減したが、細胞増殖能が著しく亢進していた。細胞内で生成したPAやリゾPAの機能はこれまで検討されていない。DGK発現による細胞増殖の機序を検討中である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] Kanoh,Hideo: "Diacylglycerol kinase and phosphatidic acid phosphatase-enzymes metabolizing lipid second messengers" Cell.Signal.5. 495-503 (1993)

  • [文献書誌] Fujikawa,Koshi: "Isolation and characterization of the human diacyl-glycerol kinase gene" Biochem.J.294. 443-449 (1993)

  • [文献書誌] Mizunuma,Masahiro: "Phospholipase D activity of human amnion cells stimu-lated with phorbol ester and badykinin" Biochim.Biophys.Acta. 1168. 213-219 (1993)

  • [文献書誌] Goto,Kaoru: "Gene cloning,expression,and in situ hybridization of 80 kDa diacylglycerol kinase specific to oligodendro-cyte of rat brain" Mol.Brain Res.16. 75-87 (1992)

  • [文献書誌] Kanoh,Hideo: "Purification and properties of phosphatidic acid phos-phatase from porcine thymus membranes" J.Biol.Chem.267. 25309-25314 (1992)

  • [文献書誌] Fu,Tao: "Abolishment of bradykinin-induced calcium oscillations in ras-transformed fibroblasts by the expression of 80 kDa diacylglycerol kinase" FEBS Lett.307. 301-304 (1992)

  • [文献書誌] 加納英雄: "ホスファチジン酸ホスファターゼとジアシルグリセロールキナーゼ" 蛋白質核酸酵素. 38. 1389-1395 (1993)

  • [文献書誌] 加納英雄: "新しいカルシウム結合蛋白質:カルシウム結合蛋白としてのジアシルグリセロールキナーゼ" 生体の科学. 44. 241-242 (1993)

  • [文献書誌] 坂根郁夫: "ジアシルグリセロールキナーゼ" Clinical Calcium. 3. 50-56 (1993)

  • [文献書誌] 坂根郁夫: "ジアシルグリセロールキナーゼ" 実験医学. 11. 262-267 (1993)

  • [文献書誌] Kanoh,Hideo: "Methods in Enzymology(Vol.209)" Academic Press, 162-172 (1992)

  • [文献書誌] Kanoh,Hideo: "Methods in Enzymology(Vol.209)" Academic Press, 162-172 (1992)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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