研究課題/領域番号 |
04454159
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
植村 慶一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90049792)
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研究分担者 |
武田 泰生 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60245462)
矢崎 貴仁 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80200484)
三浦 正幸 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50202338)
阿相 皓晃 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30104160)
白尾 智明 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (20171043)
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キーワード | 細胞接着 / 細胞移動 / 神経突起伸展 / モノクローナル抗体 / L1 / P0 / 神経細胞 / 接着性蛋白 |
研究概要 |
細胞接着蛋白質群は神経組織の形態形成に重要な役割を果すことを示唆されている。本研究は神経組織に特異的な細胞接着蛋白、L1とその関連分子群の構造と機能の解析を目的とする。我々は最近L1とP0のcDNAのクローニングを行ない、それらのcDNAおよび抗体を用いて以下の結果を得た。 1.L1の全長のcDNAを培養L細胞へのトランスフェクション、発現系を確立した。少量の発現では細胞の形態変化はなかったが、大量発現の場合に突起状の伸展などの異常形態を示した。L細胞はL1は勿論カドヘリン、NCAMなどの接着蛋白群も本来発現していないので、発現接着蛋白の機能解析に有用である。 2.短時間の培養条件で、L1発現細胞は非発現細胞に比較して、有意の細胞接着性を示し、細胞塊を形成した。接着の様相を調べるため、異なった蛍光色素でL1発現細胞と非発現細胞をラベルし、混合した実験の結果、L1発現細胞のみが選択的に集合し、細胞接着はホモフィリックなものであることが明らかとなった。 3.L1発現細胞は初代培養幼若神経細胞と強い接着作用を示し、小脳神経細胞の再凝集塊と共培養した場合、神経細胞の突起伸展を強く促進し、成長円錐の発達を促し、神経細胞の細胞塊よりの遊離移動を促進した。 4.胎生期のマウスの脳の膜画分を抗原として、モノクローナル抗体を作成し、免疫組織学的スクリーニングによって特異性の高い抗体の選択を行ない、数種の抗体を得た。現在、得られた抗体の解析が進行中である。 5.P0cDNAの培養C6細胞への発現系を確立し、P0発現細胞同士の強いホモフィリックな細胞接着を確認した。種々の合成ペプチドおよび糖ペプチドを用いて抑制実験を行なった結果、糖鎖とその周辺のペプチドが細胞接着に重要であることが示唆された。
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