細胞増殖の制御に関与する転写因子の機能制御が蛋白質間相互作用によりどのように行なわれているかについて解析した。具体的には以下の因子について研究を行なった。 1)CRE結合蛋白質CRE-BPa 以前に私達が同定したCRE-BP1と類似構造を持つ蛋白質としてCRE-BPaをcDNAクローニングにより同定した。CRE-BPaはホモダイマー、又はCRE-BP1やc-JunとのヘテロダイマーとしてCRE結合することが明らかとなった。興味あることにCRE-BPaの転写活性化能はTPAにより促進されることが示された。 2)myb遺伝子産物(Myb) Mybの中央部に存在するロイシンジッパーにはインヒビターが存在する。ウエストウエスタン法によりHeLa細胞液抽出液中に存在する96および130kDaの蛋白質がMybに結合することが示された。またMybはロイシンジッパーを介してホモダイマーを形成し、ホモダイマーはDNA結合できないことを明らかにした。この結果はMybが過剰量存在する時はMyb自身がインヒビターとして機能するnegative autoregulationの機構であることを示している。
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