研究課題/領域番号 |
04454179
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
寺田 忠史 金沢大学, 医学部, 助教授 (30188677)
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研究分担者 |
佐々木 素子 金沢大学, 医学部, 助手 (70225895)
細 正博 金沢大学, 医学部, 助手 (20219182)
斉藤 勝彦 金沢大学, 医学部, 講師 (10205635)
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キーワード | 肝 / 肝細胞癌 / 肝腺腫様過形成 / p53 / 組織計測 / 臨床病理 / 銅 / 肝発癌 |
研究概要 |
本年度は、肝腺腫様過形成におけるp53の発現、画像解析装置を用いた組織計測、過去18年間の剖検例における肝腺腫様過形成の臨床病理学的検討、肝腺腫様過形成の外科的切除後の肝細胞癌の発生、肝腺腫様過形成の銅と銅結合タンパクを検討した。また、肝腺腫様過形成にはFocal Nodular Hyperplasiaに類似するものがあること示し(Virchows Arch A 1993;422:247-252)、肝腺腫様過形成から混合型肝癌が発生することを示した(Am J Gastroenterol 1993;88:1968-1969)。p53の発現は肝腺腫様過形成では認められず、p53発現は肝細胞癌発生の後期の段階で現れると思われた(投稿予定)。組織計測では、肝腺腫様過形成の癌化病巣の組織的特徴として、核密度の増大、核クロマチンの増加、核形状係数の低下が有用な組織像であった(Virchows Arch A 1993;422:381-388)。臨床病理学的検討では、肝腺腫様過形成は近年増加傾向にあること、肝細胞癌合併例がおおいこと、C型肝炎ウイルスとの関連が強いことがわかった(Cancer 1993;72:1551-1556)。肝腺腫様過形成の外科的切除後の肝細胞癌の追跡調査では、異型型肝腺腫様過形成では肝細胞癌の発生が高頻度にみられ、異型型肝腺腫様過形成は肝細胞癌を発生しやすい状態にあることが示唆された(Am J Gastroenterol 1994 in press)。肝腺腫様過形成には銅と銅結合タンパクが含まれており、発癌との関連が示唆された(Intnatl Hepatol Commun 1993;1:326-330)。
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