研究課題/領域番号 |
04454187
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日合 弘 京都大学, 医学部, 教授 (10073131)
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研究分担者 |
山田 義博 京都大学, 医学部, 助手 (30252464)
石本 秋稔 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (50073127)
豊國 伸哉 京都大学, 医学部, 講師 (90252460)
福本 学 京都大学, 医学部, 助教授 (60156809)
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キーワード | リンパ腫 / 遺伝的感受性 / 遺伝解析 / 内在性レトロウイルス / Tリンパ腫 / PreBリンパ腫 / 宿主要因 / マイクロサテライト |
研究概要 |
リンパ腫の発生はマウスでは内在性レトロウイルスによるが、多くの宿主要因の関与する多段階過程で、いわば多因子遺伝病のモデルともみなされる。当研究室で樹立したPre-Bリンパ腫好発系SL/Khを材料として詳細な宿主遺伝要因の解析を行ってきた。まず、ウイルスゲノムを持たずリンパ腫の自然発生のないNFS/N系との交配実験から、SL/KhマウスのPre-Bリンパ腫に対する遺伝的感受性はプロウイルスEmv-11の存在に依存し、SL/Kh由来MHCをもつ場合はPre-Bリンパ腫を、これをもたず第4染色体上のfoc-1座位がNFS/N由来アレルのホモである場合には濾胞中心細胞リンパ腫を発生することを発見し報告した。本年度は、標的細胞の異なるTリンパ腫好発系AKR/Msとの交配実験を行い、SL/Khへの退交配、F2世代ではTリンパ腫の発生は常染色体単一優性遺伝子Tlsm-1 により決定されていること、同遺伝子はマイクロサテライト法による解析から第7染色体のセントロメアより62cMにマップされることを明らかにした。AKRとDBA/2との組み替え近交系AKXDの第7染色体を精査し、Tリンパ腫発生はこの系でもTlsm-1と相同な遺伝子によって決定されていることを示した。この部位にはラットの化学発癌剤誘発Tリンパ腫の感受性遺伝子も我々の手でマップされている。これらの一連の知見はリンパ腫病型は宿主遺伝子型の組み合わせにより決定されることを示唆し、ヒトのリンパ腫についても相同遺伝子を中心にこの考えを拡大適用できる可能性を示すものである。
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